ドル安リスク高いが、週末の調整にも要注意(11/6夕)

6日の東京市場は、ドルが小高い。ザラ場ベースでは、直近安値を更新する局面も観測されたが、その後はドルの買戻しが優勢だった。

ドル安リスク高いが、週末の調整にも要注意(11/6夕)

ドル安リスク高いが、週末の調整にも要注意

〇ドル円、直近安値を更新する局面も観測されたが、ドル買戻しが優勢となりドルが小高い展開
〇米大統領選、バイデン氏有利だが法廷闘争に入る様相、最終的な決着は当面先になる見通し
〇新型コロナ、米国の感染者が2日連続で一日当たりの過去最多を更新との報道
〇本日発表の10月の米雇用統計、改善が予想されるが結果に要注目
〇欧米時間の予想レンジ102.90-104.00

<< 東京市場の動き >>

6日の東京市場は、ドルが小高い。ザラ場ベースでは、直近安値を更新する局面も観測されたが、その後はドルの買戻しが優勢だった。

ドル/円は103.45円レベルで寄り付いたのち、やや荒っぽい値動き。一時103.75円レベルまで上昇したものの、一転して103.35円まで下落し、直近安値を更新したものの下値追いも続かなかった。夕方にかけてドルは再び買い戻されると、103.60円レベルに。16時現在では103.50-55円で推移して、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米大統領選」と「日本の為替関連発言」について。
前者は、獲得選挙人を見るとバイデン氏有利な状況に変わりないが、細かなところでメディアによって見方が異なっている。たとえば、激戦州のひとつであるアリゾナ州について、FOXニュースとAP通信はいち早く「バイデン氏勝利」と伝えているが、CNNやNBCニュースはまだ当確をだしておらず、対応が分かれているようだ。そうしたなか、トランプ氏は記者会見を行い、いまだ開票作業が続いていることにイラ立ちを示すとともに、「大統領選では不正が行われている」などと繰り返し主張していた。
対して後者は、ドル/円が3月12日以来となる103円台で推移していることもあり、政治家や当局者による対応や考え方を注視している向きが少なくない。ちなみに今月4日、105円前後で推移していた際、黒田日銀総裁は「為替はこのところ比較的安定している」とやや余裕もうかがえるコメントを発していた。それに対して、本日菅首相は「為替の安定は極めて重要だ。水準にはコメント控える」などと述べており、前回と比較するとやや危機意識が強まっているように見える。

<< 欧米市場の見通し >>

米大統領選は、バイデン氏有利という状況で、早ければ本日にも「バイデン新大統領決定」という流れも指摘されている。ただ、それは飽くまでも開票結果に基づくもの。不正を訴えるトランプ氏は法廷闘争に入る構えをみせていることで、最終的な決着はまだ当面先になる見通しだ。このあとどこまで材料視されるのかわからないが、引き続き不確定要素として注意を払いたい。
そうしたなか、市場では別に2つの要因が取り沙汰されている。ひとつは、NY時間に発表される10月の米雇用統計で、もうひとつは新型コロナ感染について。うち、後者については、ロイターが自社の集計として、「米国の新型コロナウイルス感染者が5日、少なくとも12万276人確認され、2日連続で一日当たりの過去最多を更新」と報じている。米大統領選などの陰に隠れているが、かなり危険な状況と言えよう。続報などにも一応要注意。

テクニカルに見た場合、かなり強固なサポートとなっていた104円レベルを昨日下回ると、そのままドルは続落。本日東京時間には103.30円台まで値を下げてきた。2日前の4日には一時105円台を示現するなど、上方向のリスクがうかがえたものの、足もとは一転して下方向のリスクに注意すべき状況となっている。本日は週末ということでポジション調整の動きも出易いが、それでも上値は限られそうで、むしろ「戻りは確実に売りたい」などといった声も聞かれていた。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「法廷闘争の可能性も高まってきた米大統領選」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
そうしたなか本日の材料としては、10月の米雇用統計が発表される予定だ。ちなみに失業率予想は7.6%で前回の7.9%からの改善。もっとも関心の高い非農業部門雇用者数は、前月からややダウンするもプラス60万人程度の数字が見込まれている。いずれにしても、予想値から大きく外れた場合には荒れた値動きも否定出来ない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは102.90-104.00円。本日東京高値などが位置する103.80円前後の攻防にまずは注目。上抜けると、これまでサポートだった104円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値である103.35円レベルが最初のサポート。下回ると明確な下値メドを指摘することは困難だが、心理的な意味も込めて103円レベルなどが意識される展開か。

ドル安リスク高いが、週末の調整にも要注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

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