3連休前、米国勢の調整の動きなどに注意(10/9夕)

9日の東京市場は、ドルが小安い。底堅いのは間違いないが、それでも一時105.80円レベルまで軟化する局面も観測されていた。

3連休前、米国勢の調整の動きなどに注意(10/9夕)

3連休前、米国勢の調整の動きなどに注意

〇ドル円、積極的な取引手控えられ、105.80レベルをボトムにした25ポイント程度のレンジ取引
〇トルコリラ、引き続き弱く対ドルで史上最安値更新
〇英EU通商協議、期限まで1週間をきるなか、先行きは引き続き不透明
〇米大統領候補者による公開討論会巡りトランプ氏バイデン氏対立、この先の動きに注目
〇米国、3連休を前にしたポジション調整の動きなどに注意
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.50-106.30

<< 東京市場の動き >>

9日の東京市場は、ドルが小安い。底堅いのは間違いないが、それでも一時105.80円レベルまで軟化する局面も観測されていた。

ドル/円は106円前後で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。本日から休暇明けとなる中国勢などの動意を期待する声も聞かれていたが、明日から土日で再び休みなるとあってか、引き続き積極的な取引は手控えられていた。105.80円レベルをボトムにした25ポイント程度のレンジ取引をたどると、16時現在では105.90-95円推移、欧米時間を迎えている。
そうしたなか、引き続きトルコリラの弱さが目につく。対ドルではわずかながら史上最安値を更新していたようだ。

一方、材料的に注視されていたものは、「米大統領選」と「英EU通商協議」について。
前者は、米大統領候補討論会委員会が、「候補者同士の第2回討論会はリモートで開催する」と発表したことが物議を醸す。バイデン氏陣営が形式変更を歓迎した反面、トランプ米大統領は「討論会がリモートなら参加しない」と反対する意向を示していた。その後も、トランプ陣営から日程変更要求が出されたものの、バイデン陣営がこれを拒否するなど、両陣営による様々な駆け引きが相次いでいた感を否めない。なお、新型コロナに感染したトランプ氏の容体について、医師団は「コロナの治療過程を終えた」としたうえで、「週末10日から公的なイベントに参加できる」と回答。これが確かなら、リモートではなく対面式での討論会が開催できることになるのだが・・・・・・。

対して後者は、一応の期限である15日まで残り1週間ときるなか、状況的には依然として厳しい。英中銀のベイリー総裁からは「英国とEUが合意に達すると信じている」といった発言も聞かれたが、EU大統領によると「交渉に進展はあるがまだ不十分。合意には英国の大きな前進が必要」とされていた。先行きは引き続き不透明と言わざるを得ない

<< 欧米市場の見通し >>

15日に予定されている第2回の「米大統領候補者による公開討論会」をめぐり、トランプ氏とバイデン氏の両者が対立。現在紛糾している状況で、開催そのものを危ぶむ声もある。支持率などで劣勢とされるトランプ氏、開催しなければ支持率アップのチャンスをみずから潰してしまうとの見方もあるだけに、この先方針転換などに動くのか、その動きには引き続き注目だ。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「米大統領選」、「コロナに感染したトランプ氏の容体」、「ベラルーシ情勢」、「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、2つ気になる要因を挙げておくと、ひとつは「各種の需給要因」。中国勢が連休明けで市場に戻ってきた反面、米国勢は来週月曜日が休みで、明日からは3連休となる。ロングウイークエンドを前にしたポジション調整の動きなどには注意を払いたい。またもうひとつは、明日10日が「党創建記念日」にあたる「北朝鮮情勢」も気掛かりだ。実施する予定の軍事パレードで新型ミサイルが公開されるとの声も聞かれるなど、日本にとっては脅威でしかないだろう。地政学リスクの再燃にも要注意。

テクニカルに見た場合、ドルは短期的なレンジ上限である105.80円を超え、106円台へと一時乗せてきたものの、値は走らず。ドル上値は106.10円レベルまで。断定するにはまだ早いが、形成しているレンジを若干ドル高方向に上方修正しただけに過ぎないのかもしれない。移動平均でいえば、7月以降の相場はおおむね90日線(106.30-35円)にドルの上値を阻まれてきただけに、今回も徐々に頭が重くなる可能性が取り沙汰されていた。

本日、注目度はさほど高くないが、8月の卸売在庫確報や同卸売売上高という米経済指標が発表される予定となっている。その内容には一応要注意。
それを除くと、決定している材料は乏しいものの、前記した「各種の需給要因」や欧米要人の発言には注意を払いたいところだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.50-106.30円。時間足ベースなど短期では何度もドルの上値を抑制している106.10円レベルが最初の抵抗に。上抜ければ90日線そして106.55円などがターゲットとなりそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京時間を見ても、これまで抵抗だった105.80円が今度は逆にサポートとして寄与している感を否めない。まずは同レベルの攻防に注目。ただ、割り込んでも底堅いイメージで、ドル下値は限定的か。

3連休前、米国勢の調整の動きなどに注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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