「日本の政局」注視も、為替は基本レンジか(9/1夕)

1日の東京市場は、ドルがやや冴えない。一時106円台を超える局面も見られたが続かず、ドルは伸び悩んだ。

「日本の政局」注視も、為替は基本レンジか(9/1夕)

「日本の政局」注視も、為替は基本レンジか

〇ドル円、一時106円台を超える局面も見られたが伸び悩み、105.60レベルまで下落
〇中国情勢、「米中の対立」のみならず豪中あるいは中印関係も新たな動きか
〇ユーロ/ドル年初来高値更新、保ち合い上放れしてきた感、1.20ドル突破を試すか
〇8月のドル/円相場、「今年一番の月間最小変動幅」を記録、9月相場は巻き返し図れるか
〇本日発表の米経済指標、期待感高まる
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.20-106.20

<< 東京市場の動き >>

1日の東京市場は、ドルがやや冴えない。一時106円台を超える局面も見られたが続かず、ドルは伸び悩んだ。

ドル/円は105.90円前後で寄り付いたのち、当初はドル買いが先行。106円を超え、前日高値106.09円に接近するも越えられなかった。すると、その後は調整の動きが優勢となり、「行って来い」に。寄り付きを下回る105.60円レベルまで下落したのち、16時現在では105.65-70円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、そうしたなかユーロ/ドルは小幅に続伸。一時1.1995-00ドルまで上昇すると、再び年初来高値を更新している。

一方、材料的に注視されていたものは、「安倍首相辞任にともなう日本の政局」と「中国情勢」について。
前者は、安倍首相の後継者人事が本格化。様々な憶測が飛び交うなか、河野防衛相や稲田幹事長代行、西村再生相などが出馬見送りを表明したことで、事実上、菅氏、岸田氏、石破氏の3氏の争いになった感がある。なお、今後の主なスケジュールとしては8日、正式に自民党総裁選が告示され、14日に両院議員総会を開いて投開票を行い、自民党総裁が決定。そのうえで、16日に臨時国会が召集される見込みだという。

対して後者は、かねてから「米中の対立」が取り沙汰されていたが、ここにきて豪中あるいは中印関係も風雲急を告げるような雰囲気を醸し始めた。豪中については、中国の税関総署が禁止薬物の検出を理由に豪社からの牛肉輸入停止を発表したほか、豪外務省が「豪州人キャスターが中国で拘束された」ことを明らかにし思惑呼ぶ。一方中印は、インド軍が「中国軍による現状を変えようとする挑発的な動きを阻止した」と発表するなか、中国外務省がそれを否定しただけでなく、同国国防部は「中国の領土に関する主権を侵害した」と強調するとともに、「自国領土の主権を守るため必要なあらゆる措置を講ずる」と逆に恫喝していた。また、そののち中国紙である環球時報は「中国はこれまでにないくらい深刻な軍事的被害をインドに与えることができる」と報じ、さらに不安を煽っている。

<< 欧米市場の見通し >>

先週末の「安倍首相の辞意表明」に端を発した「日本の政治不安」も、足もとは小康。前述したように、選挙戦は事実上の三つ巴となった感を否めず、しばらくは情勢を見極める展開となりそうだ。そうしたなか、注視されているのは週末の米雇用統計発表をにらんでのファンダメンタルズ要因と、米国や周辺国との緊張状態が続く「中国情勢」になる。また、月替わりしたことでの需給要因の変化などを気にする声も一部で聞かれていたようだ。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それらに加え、ここにきて「安倍首相辞任とその後継者人事」と「ベラルーシ情勢」も新規要因として注目を集めはじめている。また、為替市場における具体的な動きとして警戒されているのは、ドル/円よりも、再び年初来高値を更新してきたユーロ/ドルの動きか。先日までの保ち合いを上放れしてきた感があり、今度こそ1.20ドル突破を試すといった期待含みの声も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、8月のドル/円相場は昨日レポートしたように、月間レンジが105.10-107.05円という2円未満にとどまり、「今年一番の月間最小変動幅」を記録した。本日からの9月相場で、その巻き返しが図れるか否か、十分に注意を払いたい。なお、ドル/円単体で見た際には大きな変動を予想しにくいが、ユーロ/ドルの上昇にともない、ドル/円もドル安に振れるといった見方をする向きもあるようだ。

本日、8月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数といった米経済指標の発表が予定されている。先週に続き、昨日発表された米経済指標も好数字だっただけに、本日の指標についても期待感が強くなっているという。
また、それとは別に、ブレイナードFRB理事によるバーチャル討論会に参加などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.20-106.20円。昨日そして本日もドルの上昇が阻まれた106.05-10円が最初の抵抗。近くには移動平均の21日線も位置している。上抜ければ106.30円前後、106.50-55円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる105.60円レベルの攻防にまずは注視。しっかり割り込むと、先週末安値105.20円や8月安値105.10円などが意識されそうだ。

「日本の政局」注視も、為替は基本レンジか

ドル円日足


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