海外時間の為替概況
〇ドル円105.60まで下落ののちISM製造業指数の好調等で106円手前まで戻す
〇ユーロドルはドル売りの流れ続き一時1.2012まで急伸するも達成感から急落
〇ドル円テクニカルには上値の重さ印象付ける形状、ファンダメンタルズもドル売りを示唆
〇日米政局不透明感及び日米金融政策格差を背景に上値の重い展開が続くと予想
〇本日の予想レンジ:105.20ー106.20
1日(火)の外国為替市場でドル円は下落後に持ち直す展開。@日米政局不透明感の高まり(8/28の安倍晋三首相の辞意表明及び11/3の米大統領選を巡る不確実性)や、Aジャクソンホール後(8/27のパウエルFRB議長講演後)のドル売りの流れが重石となり、欧州時間朝方にかけて、一時105.60まで下落しました。しかし、一目均衡表基準線に続落を阻まれると、B米8月ISM製造業景況指数(結果56.0、予想54.8、前回54.2、約2年ぶり高水準)の良好な結果や、C欧米株の堅調推移(リスク選好の円売り)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間4時50分現在)では、105.94近辺まで持ち直す展開となっております。
1日(火)のユーロドル相場は急伸後に急反落。@ジャクソンホール(パウエルFRB議長講演)後のドル売りの流れや、A欧米株の堅調推移(リスク選好のドル売り)、B短期筋のロスカット(節目1.20をバックにショートを積み増していた向きによるストップバイ)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、約2年4ヵ月ぶり高値となる1.2012まで急伸しました。しかし、1.20突破に伴う達成感から利食い売りが強まると、C米8月ISM製造業景況指数の良好な結果を受けたドル買いや、D俄かロングのロスカット(1.20台で定着できなかったことを嫌気した見切り売り)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時50分現在)では、1.1908近辺で急落する展開となっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、8/13に記録した約3週間ぶり高値107.06をトップに反落に転じると、8/19には、一時105.10(7/31以来の安値)まで下落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線やボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど、テクニカル的にみて、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となっております(昨日も105円台で上値の重い展開が継続。106円台での滞空時間は短く、戻り売りを誘発)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策余力の違い(日本側は安倍晋三首相辞意表明を経てアベノミクス終了の思惑が広がる一方、米国側はジャクソンホールを経て大規模量的緩和の長期化期待)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(今週末に発表される米雇用統計への根強い警戒感)、B米中対立激化懸念、C世界的な貿易戦争拡大リスク、D米政治を巡る先行き不透明感(11/3の米大統領選)、E安倍晋三首相の辞意表明(本邦の政局不透明感→政策の継続性が損なわれる恐れ)、F朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、G新型コロナウイルスの感染再拡大懸念、H日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、上値の重さが意識されます。米中対立に関するヘッドラインや、米主要経済指標の結果(今週末の米雇用統計を占う上で本日21:15に発表される米8月ADP雇用統計に注目。その他、米7月製造業受注や、ベージュブックにも注目)、欧米株及び米長期金利の動向(株高基調が続くか否か)、本邦政治の続報(ポスト安倍の行方)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(日米政局不透明感及び日米金融政策格差を背景に上値の重い展開が続くと予想)。
本日の予想レンジ:105.20ー106.20
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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