新型コロナが足かせ、ドル戻りは限定的か(7/31夕)

31日の東京市場は、ドルが弱含み。一時104.10円台まで値を下げ、直近安値を更新する局面も観測されていた。

新型コロナが足かせ、ドル戻りは限定的か(7/31夕)

新型コロナが足かせ、ドル戻りは限定的か

〇ドル円弱含み、一時104.10台まで値を下げ直近安値を更新
〇新型コロナの感染拡大止まらず、世界の感染者1700万人超、東京の新規感染者は初の400人超
〇本日週末と同時に月末最終日にあたり、駆け込み的な需給要因やポジション調整の動きも警戒
〇「GAFA」の決算おおむね良好で米株は堅調推移、本日も米企業決算を警戒
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ103.80-104.80

<< 東京市場の動き >>

31日の東京市場は、ドルが弱含み。一時104.10円台まで値を下げ、直近安値を更新する局面も観測されていた。

ドル/円は104.65-70円で寄り付いたのち、当初は底堅く推移。その過程で、104.80-85円の日中高値も示現している。しかし、徐々に値を崩すと、そのまま一気に104.15-20円へ。「東京の新型コロナ感染者が過去最多、初の400人超」と伝えられたこともあり、日経平均株価が大幅安をたどるなか、「悪い円高」が進行した格好に。ただ、104円は割り込めず、その後は低位揉み合いに。16時現在では104.35-40円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「トランプ発言」について。
前者は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計結果で、世界の新型コロナ感染者がついに1700万人超え。感染拡大は南米などが中心ではあるものの、日米欧についても「第2波の襲来」に苦戦している先が少なくない。実際、日本(東京)も前述したような状況であるし、そののちドイツも「感染者が6月19日以来で最多を記録」などと報じられていた。ただ、そうしたなかにもかかわらず、米ホワイトハウスは「感染防止策として、公共交通機関でのマスク着用義務付けに反対」を改めて表明しており、米国の危機意識欠如を懸念する声も聞かれている。

対して後者は、6月のFOXニュースのインタビューで、11月の米大統領選について問われた際には「勝てなければ、ほかのことをする」などと意外にアッサリ敗北を受け入れる意思を示していたトランプ米大統領だったが、昨日は一転して悪あがきともいえる「安全な投票環境になるまで選挙を延期してはどうか」と発言、物議を醸していた。ただ、そののち米与野党ともに批判が相次いだことで微妙に発言を修正、「選挙を遅らせたいわけではない。郵便投票が不正につながるからだ」と指摘している。

<< 欧米市場の見通し >>

新型コロナワクチンへの期待感も取り沙汰されているものの、ここ最近の相場は、「第2波拡大」への警戒感がそれを上回っている感を否めない。昨日発表された米4-6月GDP速報値も、事前予想値を上回ったがそれでも驚異的な悪数字で、好感したドル買いなどはほとんど見られなかった。引き続き、新型コロナがドルの上昇を阻む可能性もある。ただ、本日は週末と同時に月末最終日にあたることで、ロンドンフィキシングなどにおける駆け込み的な需給要因ならびに、ポジション調整の動きを警戒する向きも少なくない。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。前者については、米国務長官が上院外交委の公聴会で「中国総領事館はスパイの巣窟だった」と発言したほか、米国が表明した「中国発の動画投稿アプリTikTok(ティックトック)への調査」に対し、中国外務省が反発。中止を強く求める発表を行うなど、一向に関係の改善傾向がうかがえない状況だ。本日だけでなく、この週末もあわせ、続報などには引き続き注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、それほど強いサポートがうかがえないということもあるが、ドルのじり安が止まらない。本日東京時間には104.15-20円まで下落し、104円割れも視界内に捉えられている。いつの間にか、ドル安値101.19円を起点とした上昇幅のフィボナッチ76.4%戻しにあたる103.65-70円も、それほど遠くなくなっており、むしろ現実的な下値メドと意識され始めているようだ。まずは104円割れの有無を注視したい。

本日、7月のシカゴ購買部協会景気指数や同ミシガン大学消費者信頼感指数確報といった米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された4-6月期のGDP速報などは予想より好数字だったものの、ほとんどドルの買い材料にはなっておらず、本日もよほどの数字にならないと厳しいとする声も聞かれていた。
また、明らかとなった「GAFA」の決算がおおむね良好だったことで、足もとの米株が堅調推移となっていることもあり、本日も米企業決算を警戒する向きは少なくない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.80-104.80円。上方向は、昨日のドル安値に当たる104.68円が最初の抵抗として意識されそう。上抜けると、ポジションの偏りも観測されるため、105円台への戻りも否定できない。
対するドル安・円高方向は、本日東京時間安値である104.15-20円をめぐる攻防を注視。割り込めば104円割れ、フィボナッチサポートの103.65-70円がターゲットか。

新型コロナが足かせ、ドル戻りは限定的か

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る