ドル/円は基本小動き、ユーロの動きを警戒(7/17夕)

17日の東京市場は、20ポイント程度のレンジ取引。依然として動意に乏しく、明確な方向性もうかがえない。

ドル/円は基本小動き、ユーロの動きを警戒(7/17夕)

ドル/円は基本小動き、ユーロの動きを警戒

〇ドル円、17日東京市場は107.15-35のレンジ取引
〇東京の新型コロナ感染者数、またも過去最高を更新するも為替市場への影響は軽微
〇英国、対中関係の悪化に加え、対露との軋轢も発覚
〇「米中対立」「新型コロナの第2波」には引き続き要警戒
〇18日の「G20財務相・中銀総裁会談」、今週末にかけて実施される「EU臨時首脳会議」も注視
〇EU臨時首脳会議の行方次第ではユーロメインの価格変動に要注意
〇欧米時間のドル円予想レンジ106.60-107.50

<< 東京市場の動き >>

17日の東京市場は、20ポイント程度のレンジ取引。依然として動意に乏しく、明確な方向性もうかがえない。

ドル/円は107.20-25円で寄り付いたものの、引き続き積極的な売買は手控えられている。終日を通してオープンレベルを中心とした107.15-35円のレンジ取引だった。午後になり、小池都知事が「東京の新型コロナの新規感染者は293人になった」と発言。またもや過去最高を更新したことが明らかとなったが、為替市場への影響は極めて軽微だった。16時現在、ドル/円は107.15-20円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米中の対立」について。
前者は、英政府によるファーウェイ排除を受け対中関係が悪化、この日も中国商務省が「必要な対抗措置を取る」などと発表している。また、それとは別にロシアとの軋轢も発覚し、一部で話題に。具体的には、英政府が「2019年12月に実施された総選挙にロシアが介入を図った形跡が確認された」と発表したことと、「ワクチン情報狙いロシアの情報機関がサイバー攻撃を展開している疑いがある」と主張したこと。ちなみに、後者についてはロシアの大統領報道官が「無関係だ」と発言、否定したという。
対して後者は、前日にブルームバーグが「米政権のチームが香港高官の追加制裁リストを作成したが、トランプ氏が実施の見送りを決めた」と報じるなど、再び融和観測も飛び交っていたが、そののち米政府が8月から「中国5社製品使う企業の取引排除」する方針を示している。また、バー米司法長官も、ハリウッドの映画業界や有力IT企業を名指しし、巨大な中国市場で利益を得るため「中国共産党に協力し過ぎている」と批判したとされるなど、なかなか一足飛びの関係改善とはいかないようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

連日同じような話ばかりだが、東京の新型コロナ感染者がまたもや過去最高を更新するなど、危機的な状況に陥っている感は否めない。少し先の話になるものの、来週末にかけては当初東京オリンピックが開催される予定だったため4連休となる。長期の休みということで観光地などに訪問客が殺到すれば、それこそ本格的な「感染第2波」が到来しても不思議はない。そうした状況は日本だけでなく、米国や豪州なども似たような環境で苦しんでいる。一方で、コロナ治療薬への期待感も根強いものがあり、さながら「コロナ第2波vs治療薬」ともいえる綱引き症状はまだしばらく続く見込みだ。

材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「雇用を含めた米ファンダメンタルズ」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。また、本日ではなく明18日の話になるが、テレビ方式でG20財務相・中銀総裁が会談を実施する予定だ。景気低迷の長期化に備え、各国の協調姿勢が問われるところだが、むしろ米中などが対立し亀裂が露呈するようだと来週はじめの金融、為替市場は波乱の幕開けとなる可能性もある。また、早期の「EU復興基金」が焦点となるなか、やはり今週末にかけて実施されるEU臨時首脳会議にも一応要注意。

テクニカルに見た場合、昨日のレポートからほとんど変化なし。今週のドル/円の変動は106.64-107.42円にとどまっており、まだ1円にも満たない。ちなみに、このまま今週が終わったとすれば、週間変動1円未満は6月15-19日以来のことになる。
いずれにしても、引き続き足もとのレンジ脱却が最大の注目点。上放れた場合には108円台回復を目指す反面、底割れした際には前回の106.08円がターゲットに。

本日、6月の住宅着工件数や7月のミシガン大学消費者信頼感指数速報といった米経済指標が発表される予定となっている。また、ステート・ストリートなどによる決算発表も行われる見通しだ。そちらも注視されている。
そのほか、前記したEU臨時首脳会議の行方が波乱要因で、場合によってはドルよりもユーロをメインとした価格変動に要注意かもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは106.60-107.50円。上方向は、昨日高値でもあり、今週少なくとも2回以上上げ止まっている107.40-45円の攻防に注視。しっかり抜ければ、直近高値107.80円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、明確なサポートは先週末安値を含めた106.65-70円だが、足もと107.00-10円にも弱いサポートが位置している。後者をめぐる動きにまずは要注意。107円を割り込むとストップロスを巻き込みつつ、一気にドル安進行も!?

注:ポイント要約は編集部

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ドル円日足

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