レンジ継続か、ただコロナ第2波が波乱要因(7/7夕)

7日の東京市場は、ドルが堅調裡。値幅そのものは決して大きくなかったが、夕方にかけて上値を拡大させるなど、見た目以上にドルが強かった印象だ。

レンジ継続か、ただコロナ第2波が波乱要因(7/7夕)

レンジ継続か、ただコロナ第2波が波乱要因

〇ドル円107.55-60まで上値を伸ばし高値圏で推移、値幅は小さいもののドルが強い印象
〇「新型コロナの第2波への警戒」、「米中対立」が引き続き注目材料
〇8日に故金日成主席の死去26周年を迎えるなか、対北特別代表ビーガン米国務副長官が日韓訪問
〇足もとのレンジ107.25-80を上抜ければ前回高値の108.16、割り込めば106.80がそれぞれターゲット
〇欧米時間のドル円予想レンジ107.10-108.00

<< 東京市場の動き >>

7日の東京市場は、ドルが堅調裡。値幅そのものは決して大きくなかったが、夕方にかけて上値を拡大させるなど、見た目以上にドルが強かった印象だ。

ドル/円は107.35円前後で寄り付いたのち、しばらくは冴えない。107.25-40円といった狭いレンジ取引をたどっている。しかし、上抜けすると、日中高値である107.55-60円まで上値を伸ばす展開に。時間外で取引されているNYダウ先物が100ドル高を達成後、100ドル安を記録するなど落ち着かないなか、為替市場はドル買い・円売りの動きが優勢だった。ドル/円は結局そのまま高値をキープ、16時現在でも日中最高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナをめぐる動き」と「中国情勢」について。
前者は、米ジョンズ・ホプキンス大学による最新集計結果として、新型コロナの世界感染者がおよそ1150万人に達したことが明らかになるなか、WHOは米紙NYタイムズが報じた「『空気感染の可能性』を精査している」と発表し、物議を醸している。なお、そうしたなか、「インドの感染者数、ロシアを抜き世界3位となる」、「ブラジル大統領にコロナの症状」、「東京の新規感染者、6日連続で100人越え」−−なども別途話題に。
対して後者は、米国や日本との軋轢が引き続き取り沙汰されるなか、英国やカナダ、インドとの対立もジワリと深刻化している感を否めない。うち2つを例に挙げれば、昨日から本日早朝にかけて、在カナダの中国大使館が報復とみられる措置、「中国国民に対しカナダに渡航する際は警戒を怠らないよう促した」ことが明らかになったうえ、中国の駐英大使は、香港国家安全維持法(国安法)導入に対する英国の対応をめぐり「中国へのひどい内政干渉。国際関係の規範を踏みにじるものだ」と強く批判していたという。

<< 欧米市場の見通し >>

世界各地で「新型コロナの感染第2波」への懸念が取り沙汰されるなか、前述したNYタイムズの報道はなかなかショックな内容だった。「科学者数百人が空気感染の可能性を示す科学的根拠があると指摘した」という。事実とすれば、各国とも経済活動再開どころではなく、再びロックダウン(都市封鎖)などへと戻る先が今後増える可能性を否定できないだろう。続報を注視したい。

材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「雇用を含めた米ファンダメンタルズ」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。また、明日8日に故金日成主席の死去から26周年を迎えるなか、対北特別代表を務めるビーガン米国務副長官が日韓訪問を行うことで、北朝鮮による反発。たとえばミサイル発射などを警戒する声も一部で高まっていた。

テクニカルに見た場合、本日東京時間だけをとればドル強含みだが、大きな意味ではいまだレンジ内。実際、ここ数日はすべて107円台の一進一退で、変動は1円どころか50ポイント強にしか過ぎない。そのため、まずは足もとのレンジ、107.25-80円をめぐる攻防に注目。上抜ければ前回高値の108.16円、逆に割り込んだ場合には106.80円が、それぞれターゲットとなりそうだ。

本日、5月の雇用動態調査(JOLT)など幾つかの米経済指標が発表されるものの、市場の関心はそれほど高くない。基本的にはノーインパクトか。
ただ、米財務省による3年債の入札に加え、クオールズ米FRB副議長が金融安定理事会(FSB)に関して発言するほか、ボスティック・アトランタ連銀総裁によるオンラインセミナーなど、米要人による発言機会が複数予定されている。そちらには一応要注意かもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは107.10-108.00円。上方向は、昨日高値である107.77円の攻防にまずは注視。抜ければ、108円や前回高値の108.16円が視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である107.25円レベルがサポートとして意識されている。引き続き底堅いイメージだが、故に逆にしっかり割り込んでしまうと下げが加速し、107円割れトライも。

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ドル円日足

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