コロナ第2波の行方注視、ただ基本はレンジ
〇ドル円107円台前半でのレンジ取引
〇日経平均の上昇に対しダウ先物は冴えない動き為替への影響は相殺
〇米国での感染拡大深刻化、北朝鮮は核戦力増強方針打ち出す
〇ドル円106.08-107.63レンジ続くか
〇欧米時間のドル円予想レンジ106.60-107.50
<< 東京市場の動き >>
26日の東京市場は、レンジ取引。新規材料難のなか、終日を通した値幅は20ポイント程度にとどまるなど、目立った変動はうかがえなかった。
ドル/円は107.20円レベルで寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。実際、107円前半における20ポイント程度のレンジ取引に終始した。注目要因だった日米株価は、日経平均株価が一時300円を超える上昇をたどった反面、時間外で取引されているNYダウ先物は対照的に冴えない展開で、為替市場への影響は相殺されていたようだ。16時現在では107.10-15円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米国のコロナ第2波懸念」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、ロイターが米疾病対策センター(CDC)の推計として、「米国の新型コロナウイルス感染者数は2000万人を超えている可能性がある」と報じるなか、実際にコロナ感染者の増大傾向がうかがえ、経済活動を含めた懸念が広がっていた。たとえば、FOXニュースは米NEC委員長の発言として「一部地域で都市が再封鎖される公算大きい」と報じていたほか、テキサス州知事は「州の段階的な経済再開を一時停止する」と表明、失望を誘っていた面も。
対して後者は、北朝鮮外務省傘下の軍縮平和研究所が、朝鮮戦争勃発70年に合わせた米国の「敵視政策」を非難する報告書を発表し、そのなかで「非核化に応じず核戦力増強を進める方針」を改めて強調している。また、これまで対北融和スタンスが目立っていた韓国の文大統領だが、参加した式典で、北朝鮮が軍事的行動を起こす可能性について警告を発するとともに、「国民の安全や生命を脅かす者に対しては誰であれ、断固とした対応を取る」と訴えていたことが話題に。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は23日に記録した106.08円が当面のボトムになった感を否めない反面、上値も重そう。昨日107.22円を抜け、今週のドル高値は更新したものの、16日高値である107.63円を超えていくことは出来なかった。油断は禁物だが、現在は相場観がニュートラルといってもよい状況だけに、106.08-107.63円という1.5円ほどのレンジ取引がしばらく続く公算が大きいだろう。
材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒だろう。とくに後者は、カリフォルニア州の「ディズニーランドが再開延期」を公表するなか、前述したようなテキサス州でも「経済活動の一時停止」が明らかとなっており、警戒感は高まる一方だ。昨日、IMFが報告書において、「実体経済と乖離しており、割高感がある」と警戒感を示した米株が、さらに崩れるようだと為替市場もドル売りで反応する可能性がある。
テクニカルに見た場合、何度かレポートしているドル/円の「6月高値109.85円を中心としたシンメトリー(左右対称形)形成」−−は、ますますその様相を強めつつあるのかもしれない。仮に、その見方が正しいとすれば、しばらくのあいだ107-108円を中心とした揉み合いをたどったのち、レンジを上放れすることになるのだが果たして如何に?
本日、5月のPCEデフレーターや6月のミシガン大学消費者信頼感指数確報といった米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された米経済指標は好悪が混在していただけに、「新型コロナ第2波」への警戒感が高まるなか、一抹の望みをかけた好指標への期待感も決して小さくないようだ。
なお、そうしたなか実施される「米航空大手の経営陣とペンス副大統領らとの会談」などを注視する声も聞かれている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは106.60-107.50円。上方向は、昨日高値の107.45円の攻防にまずは注視。また、超えても高値107.63円が強い抵抗となりそうで、ドルの頭は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、本日の東京でも下げ止まった107円レベルがサポートとなっている感。割り込んだとしても底堅いイメージだが、106.40-60円のゾーンを下回ると前回安値106.08円がターゲットに。
(ドル円日足)
オーダー/ポジション状況
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