東京乱高下はレンジ放れの兆し?期待の声も(6/23夕)

23日の東京市場は、ドルが強含み。先週末と昨日、2営業日続けて越えられなかった107円の壁を超えると、一時107.20円台まで上値を伸ばしている。

東京乱高下はレンジ放れの兆し?期待の声も(6/23夕)

東京乱高下はレンジ放れの兆し?期待の声も

〇ドル円107円台乗せ
〇ナバロ米大統領補佐官が「中国との通商協議は終わった」と述べたと報じられると一旦はドル売りに
〇その後本人が否定して戻す
〇引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」に要注意
〇東京時間は思わぬ乱高下をたどったが、それでも結局レンジ内
〇欧米時間のドル円予想レンジは、106.80-107.70

<< 東京市場の動き >>

23日の東京市場は、ドルが強含み。先週末と昨日、2営業日続けて越えられなかった107円の壁を超えると、一時107.20円台まで上値を伸ばしている。

ドル/円は106.85-90円で寄り付いたのちしばらくは揉み合い。106.85-95円という極めて狭いレンジ取引となった。その後、後述する「ナバロ発言」をキッカケにドルは急落したものの、ナバロ氏自身が発言を事実上否定したことで「行って来い」に。さらには、下げた分の反動がついたのか、目先抵抗の107円も突破すると、そのまま日中高値である107.20-25円まで一気に値を上げた。16時現在では107.15-20円で推移し、欧米時間を迎えている。

材料的に注視されていたものは、「ナバロ発言」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、前段階としてムニューチン米財務長官による「我々は中国から離れるときなのかもしれない」といった発言が聞かれるなか、FOXニュースのインタビューで、ナバロ米大統領補佐官が「中国との通商協議は終わった」と述べたと報じられると、市場が「米中合意破棄か!?」といった受け取り方をしたため、一時ドル売り、株売りが大きく進行した。時間外取引のNYダウ先物は大荒れに。しかし、後者の発言に関しては、当のナバロ氏自身が「文脈から大きく外れて捉えられた」と発言し趣旨が歪曲されたと説明したうえ、トランプ米大統領もツイッターで「中国との貿易合意はまったく損なわれていない」と援護射撃に動いたことで、結局元の木阿弥に。

対して後者は、国連人権理において「13年連続で北朝鮮の非難決議を採択」されるような状況下、引き続き北朝鮮不安が話題に。韓国発で「北朝鮮が10月に軍事パレード実施の準備」、「非武装地帯に宣伝放送拡声器の再設置開始」といった報道が観測されたうえ、脱北者団体から「22日夜に南北境界線から北朝鮮に向けてビラを散布した」との発表がなされていた。ビラの配布については、韓国の文政権が処罰する方針を繰り返し示してきたなか、強行実施されたことになり、韓国ならびに北朝鮮の対応が注視されている。

<< 欧米市場の見通し >>

本日の東京時間をみると、為替や株式などの金融市場が「米中対立」、なかでも貿易協議の行方にかなりナーバスになっていることが再確認されたといえる。市場の動揺を誘発したナバロ発言の影響も、足もとはスッカリ落ち着いた感はあるが、今後も関連報道などには一応要注意。また、それとは別に「トランプ氏の選挙スタッフ2名、新たに陽性反応」といった報道が観測されるなど、米国における「新型コロナ第2波」への警戒感も根強く、依然として予断を許さない状況だ。

材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒だろう。また、本日は6月分の経済指標が複数発表されることもあり、米ファンダメンタルズ要因を警戒する声も少なくないようだ。指標内容によっては、たとえ一時的にせよ乱高下をたどる可能性もある。

テクニカルに見た場合、本日東京時間は思わぬ乱高下をたどったが、それでも結局レンジ内。気が付くと2週間近くに達する106.58-107.63円というレンジ内には、依然としてとどまっている状況だ。そのため、引き続き足もとの形成レンジを如何に、どちらにブレークするのかが注視されているが、市場では敢えてバイアスを掛けるとすれば上方向かも、などとした声も聞かれた。

本日、6月の総合PMI速報や同リッチモンド連銀製造業指数といった米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された5月分の米経済指標は好悪マチマチだっただけに、本日の指標については好数字を期待する向きも多いようだ。
また、それとは別にベイリー英中銀総裁による講演なども予定されており、こちらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.80-107.70円。本日東京高値にあたる107.20-25円の攻防にまずは注視。上抜ければ、レンジ上限にあたる107.63円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日のドル安値を含め、過去1週間程度で少なくとも3-4回は下げ止まっている106.65-75円が最初のサポートか。ただ、割り込んでも少し下の106.58円は6月安値となるなど、下方向もテクニカルポイントが多い。

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ドル円日足

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