ドル下値トライは失敗に、目先はレンジか(5/1夕)

1日の東京市場は、終わってみれば「行って来い」。一時ドル買い・円売りが進行するも続かず、その後は逆の動きに押されている。

ドル下値トライは失敗に、目先はレンジか(5/1夕)

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1日の東京市場は、終わってみれば「行って来い」。一時ドル買い・円売りが進行するも続かず、その後は逆の動きに押されている。

ドル/円は107.10-15円でオープンしたのち、当初はドル買い優勢。中国やシンガポールなどの市場が休場となり、商いもやや薄いなか、ドルが積極的に買い進められている。しかし、日中高値107.40円レベルを示現したのちは上げ渋ると、逆にドル売り・円買いに押される格好に。日経平均株価が一時600円を超える下落をたどったことなどが嫌気されると、結局「行って来い」。16時現在では107.05-10円前後で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ECBの金融政策」と「新型コロナをめぐる米中の対立」について。
前者は、今週最大の注目要因と目された日米欧の中銀による政策金利発表の最後を飾り、ECBが政策金利の発表を行っている。政策金利こそ据え置きとなったものの、量的緩和の拡大を表明するなど、さらなる緩和へ含みを持たせる内容だった。実際、ラガルド総裁はそののち「ECBは『パンデミック緊急購入計画』を必要な限り拡大する用意ある」と発言している。なお、為替市場は一連の措置を好感し、ユーロ買いで反応していたようだ。
対して後者は、引き続き米中両サイドからの激しい口論が観測されていた。たとえば、中国は同国外務省の耿副報道局長が責任論に反発し「中国はウイルスの被害者であり、共謀者ではない」と火消しに動く反面、米国側はトランプ氏から「中国武漢の研究所がコロナの起源であるとの証拠を見た」との発言が聞かれたうえ、ロイターは「中国に対する報復措置を検討する動きが米政権内で出ていることが明らかになった」などと報じ物議を醸していた。

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日米欧の三中銀による政策金利発表が実施され、それぞれゼロ金利政策や量的緩和の継続といった内容を発表している。また、「やれることは何でもやる」といった強い意志を感じる先も多く、今後の金融市場の動き次第では、さらなる措置を講じる公算が大きいことも明らかとなった。そうしたなか、個人的にやや気になっているのは、日本におけるゴールデンウイーク、中国の労働節に絡めた連休(1-5日)動向。うち中国については、同国交通運輸省の呉報道官が記者会見で、「連休中の国内旅行者は1日当たり延べ約2336万人」と述べており、これは前年同期比で3分の1の規模だそうだが、それでも多くの人間が行き来することで「コロナ感染拡大の第2波」が襲来する可能性はないのか心配している。

材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「原油情勢」など、注目要因は依然として多い状況だ。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題で、先で指摘した日中の長期連休ファクターなども気掛かりだ。また、コロナをめぐり激化の一途をたどる米中対立や、ワクチン開発をめぐる動きなどにも要注意。

テクニカルに見た場合、過去2週間ほど推移してきたレンジの下限106.93円をしっかりと下回った感があり、下方向へのリスクが取り沙汰されるなか、ドルは昨日NY時間に急反発。予想外の戻りを見せた。一時107円半ばまでの戻りを達成している。
それを受け、ドルの下方向へのリスクは一旦仕切り直しとなった感を否めないものの、一方でドルの上値も引き続き重そう。目先は107円を挟んでの60ポイント程度のレンジ取引になるといった見方も聞かれていた。

本日は、4月の製造業PMIや同ISM製造業景況指数などの米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された新規失業保険申請件数は、前週比で改善するも事前予想ほどの数字にはならず、383.9万件という高止まりになったことが明らかに。ひとつずつの指標を見れば、多少の温度差はあるものの、トータルの流れとしては米経済の悪化は続いていると言わざるを得ない。引き続き、とくに4月分以降のデータには要注意だろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.60-107.50円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である107円半ばが最初の抵抗。超えた場合には、移動平均の25日線が位置する107.75-80円、同200日線が位置する108.30円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、106.70円前後の攻防にまず注目。割り込んだ場合には、昨日を含め、ここ数日ドルの下値を支えている106.35-40円が意識されそうだ。

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