<< 東京市場の動き >>
14日の東京市場は、レンジ取引。107円半ばから後半の20ポイント強という非常に狭いレンジ内での一進一退に終始している。
ドル/円は107.70-75円で寄り付いたものの、終日を通して手控えムードが強い。欧米諸国を中心としたイースター休暇がようやく明けたものの、市場参加者による積極的な売買は引き続き見送られている。日経平均株価が終値ベースで595円高を記録したほか、NYダウ先物も堅調推移をたどったが、為替市場への影響は限定的。16時現在では寄り付きとほぼ同レベルの107.65-70円で推移し、欧米時間を迎えている。
そうしたなか、ポンドが対円やドルで堅調裡。ポンド/円は日中安値から一時80ポイント程度上昇する局面も観測されていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナウイルス対応」と「中国および北朝鮮情勢」について。
前者は、米ジョンズ・ホプキンズ大が世界の新型コロナウイルス感染者数を192万人と発表するなか、感染拡大がピークを越えたと言った見方から外出制限などを緩和する国が出始めた反面、引き続き厳しい措置を取り続ける先もあり、対応にかなりの差異が見られはじめている。たとえば、制限緩和に動き始めた先はスペインやオーストリアのほか、米NYも州知事が「最悪期は脱しつつある」とコメント。それに対して、トルコや英国、フランスなどは厳しいスタンスを維持、国民にいま少しの辛抱を強いていた。
対して後者は、新型コロナウイルスの奇禍からいち早く抜け出した中国、そして北朝鮮による不穏な動きが幾つか観測されている。河野防衛相が自衛隊機による緊急発進が増えていることと絡め、中国軍の活動に不快感を示すなか、本日は11日以来とされる「尖閣諸島周辺で3隻の中国船を確認」との発表が別途なされていた。また、北朝鮮は本日午前に今年5度目となる「日本海への複数飛翔体発射」を実施していたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
先でも指摘したように、新型コロナウイルスに対する各国の対応が徐々にわかれてきた。とくに欧州については、完全に二分している感を否めず、不安定さを感じさせる。陸続きとなっている国同士が多いだけに、一部における経済活動再開に向けた動きが、現在小康をうかがわせる先を含めた「第2波」襲来のトリガーを引くことになりかねない。また米国も、秋に米大統領選を控え焦りもみられるトランプ氏の拙攻な対応が気掛かりだ。
材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「原油情勢」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題であり、感染拡大情勢はもちろんのこと、復興に向けた対応策などについても注意を払いたい。ただ、新型コロナウイルスと為替市場の関係性が一時期に比べて希薄になっていることは確か。基本はレンジ取引との見方も少なくないようだ。
テクニカルに見た場合、ドルは昨日そして本日東京でも107円半ばまで下落したが、割り込めず。そんな107円半ばは、4月安値106.93円を起点としたフィボナッチにおける、76.4%押しにあたるテクニカルポイントだ。したがって、目先は同レベルで下げ渋る可能性も否定出来ないものの、仮に割り込むようだと100%押し、つまり106.93円がターゲットとなる。
それに対するドルの抵抗は、先日まで絡む動きをたどっていた移動平均の200日線(108.30円レベル)などか。
本日は3月の輸出入物価指数といった米経済指標が発表されるほか、ブラード・セントルイス連銀総裁やエバンス・シカゴ連銀総裁による質疑応答などが予定されている。それらは当然要注意。
また、JPモルガン・チェースなど米金融機関を中心とした決算発表が徐々に本格化する見通しで、その内容を警戒する声も多い。場合によっては、相場の波乱要因にも。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.10-108.10円。ドル高・円安方向は、時間足などで見た短期抵抗の107.80円レベルをめぐる攻防に注目。上抜ければ200日線などが位置する108.30円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、フィボナッチでみたテクニカルポイントであり、昨日からのサポートである107円半ばが最初の下値メド。下回ってくると、4月安値106.93円が視界内に捉えられる。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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