ドル円、約2週間ぶりの107円割れ。IMFは世界経済見通しを大幅下方修正(4/15朝)

14日(火)の外国為替市場でドル円は続落。

ドル円、約2週間ぶりの107円割れ。IMFは世界経済見通しを大幅下方修正(4/15朝)

海外時間の為替概況

14日(火)の外国為替市場でドル円は続落。@新型コロナウィルスの感染拡大を受けたグローバルなリスク回避ムードや、A原油先物価格の軟調推移(原油需要の低下に加えて、OPECプラス緊急会合にて減産合意額が当初予想に達さなかったこと伴う失望感)、BFRB(米連邦準備理事会)による大規模量的緩和を通じたドル売り圧力(FRBは昨日より商業手形の購入を開始)、C国際通貨基金に(IMF)による世界経済見通し(WEO)の大幅下方修正(2020年の世界経済がマイナス3.0%に落ち込むとの見通しを発表)が重石となり、米国時間にかけて、一時106.98まで下げ幅を広げました。もっとも、107円近辺では押し目買い意欲も根強く、下げ渋ると、堅調な米主要株価指数を材料に、引けにかけて小反発。本稿執筆時点(日本時間5時50分現在)では、107.22近辺で推移しております。

昨日のユーロドル相場は上昇。@FRB(米連邦準備理事会)による大規模量的緩和を通じたドル売り圧力(FRBは昨日より商業手形の購入を開始)や、A欧州圏における新型コロナウィルス感染拡大ペースの鈍化期待(ユーロ買い)、B先般のユーロ圏財務相会合で決定された5400億ユーロ規模の景気対策期待(ユーロ買い)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0987まで上伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時50分現在)では、1.0981近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、4/6に記録した高値109.38をトップに反落に転じると、昨日(4/14)は一時106.98まで下落しました。この間、ボリンジャーミッドバンドや、200日移動平均線、一目均衡表転換線を下抜けするなど、テクニカル的に見て、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となりつつあります(※4/6高値109.38→4/7高値109.29→4/8高値109.10、4/9高値109.07、4/10高値108.60、4/13高値108.39→4/14高値107.76と段階的に上値を切り下げる不冴な展開)。目先は一目均衡表基準線が走る106.86を試す動きが想定されます。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和手段に乏しい日本と、大規模量的緩和を続ける米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中貿易摩擦の再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウィルスの感染拡大長期化リスク(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F原油先物価格の軟調推移、G本邦における先行き不透明感(緊急事態宣言発動後の実体経済への下押し圧力)など、ドル売り・円買いを連想させる懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも下落リスクが警戒されます。米FRBによる量的緩和拡大(ドル売り要因)や、米経済指標の不冴な結果(ドル売り要因)、本邦経済の先行き不透明感(円高要因)、原油先物価格の不安定化(株安・円買い要因)、リスク回避ムードの再燃リスク(株安・円買い要因)が重石になると見られ、本日も、新型コロナウィルスを巡るヘッドライン(特に楽観ムードに水を差す識者や要人の発言に注意)や、原油先物価格・世界的な株価の動向、米国の主要経済指標(米3月小売売上高など)の結果、G20財務相・中銀総裁会合(電話会議)、米金融大手の企業決算(バンクオブアメリカやゴールドマンサックス、シティグループなど)を睨みながらも、ドル円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:106.70ー107.70

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