<< 東京市場の動き >>
週明け13日の東京市場は、ドル安・円高。先週安値108.20円を下回っただけでなく、終盤にかけて下げ幅を拡大させるなど、後味があまり良くなかった。
前週末、新型コロナウイルスについては、一時集中治療室に入っていた「ジョンソン英首相が退院」とのニュースが伝えられたほか、米ジョンズ・ホプキンズ大学が「米国における死者数が2万人超となり、イタリアを抜き世界最多になった」との集計結果を発表している。また、OPECプラスやG20エネルギー相会合に関する話題が幾つか取り沙汰されていた。
そうしたなか、寄り付いたドル/円は先週末のNYクローズと大差ない108.35-40円。その後、108.50円レベルの日中高値を記録するも買いは続かなかった。夕方にかけて緩やかな右肩下がりをたどると、108円割れ。日中安値の107.80円レベルまで値を下げ、16時現在では107.80-85円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「原油安打開に向けた動き」と「日本における新型コロナウイルス」について。
前者は、開催されたG20エネルギー相会合における共同声明で「減産に関する直接的な言及」は盛り込まれず。一部報道によると、「トランプ米大統領の仲裁申し出にもかかわらず、サウジアラビアとメキシコの対立は解消しなかったことが原因」だという。また、OPECプラスについては、「970万バレルの協調減産で最終合意」となったが、その内容には不透明なところも。たとえば、強固な反対姿勢をとっていたメキシコが最後に合意したものの、それは「米国が肩代わりする減産」するとの立場を示したから。しかし、当の米国は減産肩代わりそのものを認めた反面、「すでに実施済み」とコメントするなど微妙な齟齬も残っていた。
対して後者は、週末に伝えられた2つの関連報道が思惑を呼ぶ。具体的には、「外務省領事局長がコロナ陽性、茂木外相と6日と7日に短時間の接触」と、「皇宮警察幹部がコロナ感染、天皇陛下らとの長時間接触はなし」−−になる。志村けんさんなど芸能人への感染が以前から数多く取り沙汰されるなか、今度は政治家もしくは内閣中枢や皇族に対しての被害拡大が懸念されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
新型コロナウイルスの感染拡大については、中国や一部の欧米諸国から楽観的な見通し、そして外出制限緩和をはじめとする経済活動再開に向けた動きが観測され始めているものの、まだまだ予断を許さない。実際、中国当局は国外からの帰国者を中心に、新規感染者が再び増加し始めていると報告していた。現在の相場は、「第2波」襲来に向けた小康状態に過ぎないのかもしれない。
材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「原油情勢」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題であり、また先で取り上げような「970万バレルの協調減産で最終合意」となったものの、効果を疑問視する向きの多い原油市場の動静が注視されている。なお、先週末に続き本日も英国などがイースター絡みで休場となり、商いは薄そう。ただ、「薄商い=荒っぽい変動」にも一応要注意だ。
テクニカルに見た場合、本日東京時間に移動平均の25日線なども近くに位置していた108円レベルを下回ってきた。まだ「しっかり」と割り込んできたわけではないが、ドルの続落に注意を払いたい。ちなみに、4月安値106.93円を起点としたフィボナッチでは、足もと61.8%押し(107.85-90円)に絡む値動き。「しっかり」下回ると、76.4%押しの107円半ば、そして100%押しがターゲットに。
本日は、イースターマンデーにあたるためか米経済指標の発表はとくに予定されていない。そうした意味では、やや動きにくそうな雰囲気だが、明日以降は金融機関を中心とした米企業決算の発表や、重要とされる米経済指標発表が相次ぐ。飽くまでも小休止で、この先の動意に備えたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.20-108.20円。ドル高・円安方向は、先週末安値の108.20円、移動平均の200日線が位置する108.30円レベルが目先の抵抗。上抜ければ109円を目指す展開も。
対するドル安・円高方向は、フィボナッチでみたテクニカルポイントの107円半ばの攻防にまずは注視。下回ってくると、4月安値106.93円がターゲットに。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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