ドル円、一時107円台半ばへ下落。米株及び原油先物価格の下落が重石に
海外時間の為替概況
13日(月)の外国為替市場でドル円は下落。@日本時間未明に開催されたOPECプラス緊急会合にて減産合意(日量970万バレル)が実現しつつも当初予想に達さなかったこと(失望感から原油先物価格が下落)や、A新型コロナウィルスの世界的な感染拡大懸念、B上記@Aを受けた投資家心理の悪化(米ダウ平均株価は一時624ドルの下落。VIX指数も上昇)、Cリスク回避の円買い圧力(通貨オプション市場ではインプライドボラティリティが上昇すると共に、リスクリバーサルにおいても円コールオーバーが拡大)が重石となり、米国時間にかけて、4/2以来となる安値107.50まで下げ幅を広げました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、107.75近辺で推移しております。
昨日のユーロドル相場は上昇後に反落。@FRB(米連邦準備理事会)による大規模量的緩和の継続(ドル売り)や、A欧州圏における新型コロナウィルス感染拡大ペースの鈍化期待(ユーロ買い)、Bユーロ圏財務相会合による5400億ユーロの景気対策発表(ユーロ買い)が支援材料となり、欧州時間序盤にかけて、一時1.0968まで上昇しました。しかし、イースターマンデーで英国及びドイツ市場が休場となる中、伸び悩むと、C米主要株価指数や原油先物価格の下落を受けたリスク回避ムードの再燃(ユーロ円下落→ユーロドル連れ安)や、Dマクロン仏大統領による「ロックダウン(都市封鎖)を5/11まで延長する」との発言が重石となり、米国時間にかけて、安値1.0892まで反落しました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間5時40分現在)では、1.0911近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、4/6に記録した約1週間ぶり高値109.38をトップに反落に転じると、昨日(4/13)は一時107.50まで急落しました。この間、ボリンジャーミッドバンドや、200日移動平均線、一目均衡表転換線を下抜けするなど、テクニカル的に見て、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となりつつあります(※4/6高値109.38→4/7高値109.29→4/8高値109.10、4/9高値109.07、4/10高値108.60、4/13高値108.39と段階的に上値を切り下げる不冴えな展開)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和手段に乏しい日本と、大規模量的緩和を続ける米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(新規失業保険申請件数やミシガン大消費者信頼感指数の悪化)、B米中貿易摩擦の再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウィルスの感染拡大長期化リスク(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F原油先物価格の不安定化、G本邦における先行き不透明感(緊急事態宣言発動後の実体経済への下押し圧力)など、ドル売り・円買いを連想させる懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも下落リスクが警戒されます。米FRBによる量的緩和拡大(ドル売り要因)や、米経済指標の不冴えな結果(ドル売り要因)、本邦における景気先行き不透明感(円高要因)、原油先物価格の不安定化(株安・円買い要因)、リスク回避ムードの再燃リスク(株安・円買い要因)が重石になると見られ、本日も、新型コロナウィルスを巡るヘッドライン(日米欧の感染者数の動向や、各国政府によるロックダウンや外出規制に係る発表など)や、原油価格及び世界的な株価の動向、米国及び中国の主要経済指標(中国の3月貿易収支や、米国の3月輸出入物価指数など)、IMFによる世界経済見通し(WEO)、G7及びG20財務相・中銀総裁会合を睨みながらも、ドル円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします(日米欧の景気対策出尽くし感→俄かリスクオン相場の終焉→リスクオフ相場の再開→クロス円下落→ドル円連れ安の展開を想定)。
本日の予想レンジ:107.20ー108.10
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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