米欧のウイルス感染状況注視、ドル円の波乱要因にも(3/5夕)

5日の東京市場は、ドルが冴えない。株価や金利動きに一喜一憂しつつも、ドルは上げ渋ると軟落し安値引けとなった。

米欧のウイルス感染状況注視、ドル円の波乱要因にも(3/5夕)

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5日の東京市場は、ドルが冴えない。株価や金利動きに一喜一憂しつつも、ドルは上げ渋ると軟落し安値引けとなった。

ドル/円は107.45-50円で寄り付いたのち、当初はドル買い優勢。日中高値である107.75円レベルまで一時ドル高が進行している。
しかし、「米カリフォルニア州が非常事態宣言」のニュースが伝えられたあたりから風向きが変わると、一転してドル売りが優勢に。107.25円レベルまで売られたものの、その水準ではさすがに底堅く推移したが上値も重く、16時時点ではそのまま安値圏107.25-30円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型ウイルス」と「幾つかの米中対立」について。
前者は、これまで感染者が少なく、楽観的だった米国情勢が懸念される事態になってきた。ペンス米副大統領から「米国内の新型ウイルス感染例が100件上回る」との発言が聞かれたうえ、前述したような加州の非常事態宣言発令も聞かれるなど、為替市場でもドルを積極的には買いにくい雰囲気。また、経済面については、発表された米地区連銀報告で「ウイルスの影響で供給に遅延、生産者は混乱を懸念」、「旅行・観光業に各影響を及ぼしている兆候」などと指摘されていたことが話題に。

対して後者は、これまでの「貿易」や「香港」、「台湾」などをめぐる対立ではなく、新たな側面でバチバチとやり合う構図が幾つか観測され始めている。たとえば、中国外務省が「米国こそが真のハッカー集団」と名指ししたうえで、「中国はサイバー攻撃の被害者」と痛烈に批判したほか、中国新華社が米政府による記者数制限公表に対しての抗議を実施。また、中国証券時報は「米金融当局の動きに人民銀行が厳密に従う必要はない」とした論評を掲載、物議を醸していたという。

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米株の動きがいまだ落ち着かない。2日に「史上最大の上昇」を記録したことは記憶に新しいが、4日はクローズベースで前日比1173.45ドル高。2日に続く「史上2番目の上昇」を達成している。その前後にはNYダウの急落も経験しており、かなり激しい上下動のジェットコースター相場だ。米株や金利がもう少し落ち着きを取り戻さないと、ドル/円も引き続き振れ幅の大きな値動きをたどることになりかねない。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は数多いまま。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題だが、ここ最近はイタリアを中心とした欧州、そして米国における感染拡大が懸念要因として取り沙汰されはじめている。状況如何では、相場がさらに乱高下をたどる原因になるだろう。

テクニカルに見た場合、ドルは昨日示現した106.85円を目先のボトムに底堅いイメージだが、上値も重く上げ渋り。実際、本日の東京では昨日高値107.70円レベルを一時更新したものの、しっかり上抜けすることは出来なかった。
したがって、現状は106.85-107.75円という90ポイントのレンジを形成中。まずは、これを上下どちらに抜けていくのか、その方向性やタイミングが注視されている。

本日は、1月の製造業受注指数や同耐久財受注確報といった米経済指標が発表される予定となっている。ちなみに、昨日発表された2月のADP雇用統計と同ISM非製造業総合指数は、ともに予想を上回っており、それだけならばドルの買い要因。残念ながら、市場の関心が再び米ファンダメンタルズから離れているものの、良好な米指標の発表が続けばドルの下支えとして寄与する可能性も。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.80-107.80円。ドル高・円安方向は、東京高値の107.75円レベルが最初の抵抗。超えれば108円台回復もみえてくる。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の106.85円が最初のサポート。割り込むようだと106円半ば、さらには106.30円などが意識されそうだ。

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