米FRB地区連銀経済報告
昨日(4日)、FRBからベージュブックが公表されました。以下はその内容になっています。
地区連銀は12地区で構成されており、報告内容期間は2020年2月24日以前までとなっています。
経済状況は前回の内容とほとんど変わっていません。変更点はコロナウィルスの影響による懸念が、現在は観光業や一部サプライチェーンに留まっているものの、見通しを下方修正するリスクがあることを指摘している点です。
(全般的は経済活動)
FRB地区の大多数によれば、ここ数週間の経済活動は控えめな状況から緩やかな割合で拡大した。しかしながら、セントルイスやカンザスシティはこの間変化なしとの報告だった。消費支出は一般的に持ち直したが、その伸びは、自動者販売の混在した報告を含めて、国内では不均一となった。全般的に観光業は横這いから緩やかな伸びとなった。コロナウィルスが米国内で旅行や観光業に悪影響を及ぼしているとの兆候があった。米国の製造業は国内の多くの地域で拡大したが、サプライチェーンの遅延はコロナウィルスの結果として報告されている。幾つかの地区はこの先数週間に混乱が悪化することを生産者が恐れている。
輸送業は、大幅に伸びた中部大西洋をのぞき、横這いから幾分上昇した。米国の非金融サービス会社は一般的に、おだやかな状況から緩やかな伸びとなった。ほとんどの地区で全般的に、借入の伸びは横這いから緩やかに上昇した。但し、セントルイス、NY、カンザスシティは減少と報告された。全般的に、居住用住宅販売は緩やかに上昇した。非住宅用不動産販売やリースは地域により多様であった。農業はここ数週間ほとんど変わらなかった。一方で、資源の産出はいくらか減少したことが報告されている。直近の見通しは潜在的リスクのコロナウィルスや今後の大統領選により控えめな伸びとなるだろう。
(雇用と賃金)
雇用は全般的に緩やかなペースで増加した。雇用はタイトな労働市場により制約されている。労働力不足は多くの企業で成長を下げ、建設計画に遅延をもたらした。幾人かの雇用者は人材誘致のため、一時雇用から常用雇用に切り替えた。そして、企業は季節外のスタッフに関しても季節労働者を維持することで、労働者を残す様に努力している。雇用は多くの部門で拡大している一方、製造業、小売、輸送関連会社は幾つかの地区で雇用の需要が下がったと報告している。賃金の伸びは、前回報告同様に、多くの地区で控えめから緩やかな伸びになった。調査先ではこの賃金の伸びは引き続き伸びると予想している。企業はまた、福利厚生に多くを費やしており、福利厚生のコストが上昇し、雇用者は労働者を引き付け、維持する様に拡充している。
(価格)
多くの地区で、非労働投入価格同様に販売価格は緩やかな伸びと報告された。幾つかの企業、とりわけ製造業は中国とのフェーズ1合意で商品価格が下がると楽観している。しかし、一部ではいまだ関税に苦心しており、コロナウィルスが価格にどの様な影響を与えるか懸念している。原油とガス価格は国全体で低下した。これはコロナウィルスによる中国からの需要が低下したことが起因していた。交易条件の改善でいくつかの小売業者はコスト下げをしたが、小売価格は国全体で上昇した。一方、農業価格の変化は多様だった。
(各地区のハイライトは略)
(上記出所:FRB HP)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
3月3日のFRB緊急利下げで米10年債は大きく下がってきました。両者の相関はある程度見られますが、チャート開始時点から見ると、青の10年債は当初より金利軟化していますが、オレンジの為替はまだ9月初の105円94銭を下抜いていません。2月20日のドル高(〇印)が突出していたことが解ります。
緊急利下げがベージュブックの懸念を消し去れるのか、あるは利下げが効かずベージュブックの懸念が現実になるか、今後の経済指標が注目されます。
(2020年3月5日12:55、1ドル=107円32銭、1ユーロ=1.1138ドル)
米10年債とドル円NY終値
オーダー/ポジション状況
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