春節終了、新型肺炎への関心はいまだ根強い(週報2月第1週)

先週のドル/円も、ドル安・円高の展開。1月相場は経験則的に見て「円高有利」とされたが、終わってみれば確かに月足は陰線引けで終了している。

春節終了、新型肺炎への関心はいまだ根強い(週報2月第1週)

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先週のドル/円も、ドル安・円高の展開。1月相場は経験則的に見て「円高有利」とされたが、終わってみれば確かに月足は陰線引けで終了している。

前週末から「新型肺炎」に関するニュースが市場を席捲。とくに、1月24日から中国が春節(旧正月)に入ったこともあり、中国国外を含めた被害の拡大が指摘されるなか、週明けの為替市場が寄り付いた。
ドル/円は、そうした状況を嫌気し、ドル安・円高でスタート。前週末のNYクローズが109.30円前後だったのに対し、108.90円レベルで取引開始となった。その後は、一時ドルの買い戻しも観測され、ギャップ埋めトライの展開なども見られたが流れは続かず。NYダウを中心とした株価が大きく値を下げたこともあり、為替市場も再びドル売り・円買いに拍車がかかる動きとなっている。週末には108.31円まで下落し、大引けも108.35円レベルと週間を通したドル安値圏だった。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「新型肺炎」と「英国情勢」について。
前者は、中国では政府が要請し「1月27日から海外団体旅行を禁止」するなども、まったくの無策というわけでもなかったが、被害の拡大は止められず。中国国内では、週末にかけて対比されることの多い2003年「SARS(重症急性呼吸器症候群)」の上回る感染者数を記録したことが公式発表で明らかになった。また、国外でも日米のほかフランスやカナダ、韓国や台湾、豪州でも確認されるなど被害はさらに拡大の様相に。経済的な側面、貿易や小売りなどに対する警戒感も徐々に取り沙汰されはじめた。

それに対して後者は、週末1月31日のEU離脱がジワリと迫るなか、次をにらんだ米英あるいは英欧間の動きが活発に。そのひとつは、米国からの圧力にもかかわらず、5G移動通信システムにおいて中国ファーウェイ製機器の採用を容認した問題について。また、貿易問題については、ポンペオ米国務長官が「農業分野中心に激しい議論になる」と指摘していたほか、マクロン仏大統領も「安定した関係となることを望むが、これまで何十年も保ってきた関係とは同じではない」と、やや突き放したようなコメントを発していたようだ。

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当初は「感染力が弱い」などと言った指摘も聞かれた中国発の新型コロナウイルスだが、前述した先週など最近の報道をみれば到底そうは言えないだろう。そして、感染者数や死者数が今後さらに増加することは想像に難くないだけでなく、ここにきては先日第1段階の合意となった米中貿易協議と絡めた懸念や、中国経済成長の減速懸念なども取り沙汰されはじめている。いずれにしても、まだ落ち着きどころは見いだせない状況で、金融市場においてはドル安、米株安の流れはいましばらく続く可能性を否定出来ない。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「ウクライナ疑惑(トランプ氏弾劾の動き)」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型肺炎」など注意すべき要因は目白押しだが、引き続きもっとも注意を要するものは「新型肺炎」に絡むニュースになる。ただ、それ以外では、いよいよ本格化する「米大統領選の行方」。2月3日に共和党のトランプ大統領への事実上の挑戦権を懸けた戦いの緒戦である「アイオワ州党員集会」には注意を払いたい。また、6日にも実施される見込みの「トランプ氏弾劾裁判の評決」も注視されている。予想通り、無罪判決となれば、ドルが一時的に買い進まれる展開も!?
なお、それらとは別に春節明けとなる本日3日、中国株式市場などの動静にも要注意だ。

テクニカルに見た場合、先週末で終了した1月相場は経験的に「円高有利」と言われていたが、今年も結果として月足陰線。「円高有利」で幕引きとなった。
移動平均の200日線(108.40-45円)など、下方向のサポートも取り敢えず割り込んでいる格好で、リスクは引き続きドル安方向。ポジションの偏りこそ気掛かりだが、ドルの続落には注意を払いたい。年初来安値107.65円もすでに視界内に。

一方、材料的に見た場合、1月のISM製造業活動指数や同雇用統計といった重要な米経済指標が発表される予定となっている。先週発表された指標は好悪マチマチで判断をつけにくかっただけに、今週発表の指標内容がどうなるのか、それらを注視している向きは少なくない。
また、米国ファクターでいえば、前述した「アイオワ州党員集会」や「トランプ氏弾劾裁判の評決」などが警戒されているようだ。

そんな今週のドル/円予想レンジは、107.30-109.30円。ドル高・円安については、先週のドル高値圏で、移動平均の25日線が位置する109.30円レベルの攻防にまずは注目。回復すれば、109.70-80円や110円などがターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、先週安値にもほぼ合致するフィボナッチを参考にしたテクニカルポイントの108.30円レベルが最初の下値メド。しっかり下回ると108円割れ、年初来安値107.65円が意識されそうだ。

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ドル円日足

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