新型肺炎に関する報道など注視、ドル続落も(1/23夕)

23日の東京市場は、ドル安・円高。それも、「寄り付き高・大引け安」の様相で、見た目以上にドルの弱さが目についた。

新型肺炎に関する報道など注視、ドル続落も(1/23夕)

新型肺炎に関する報道など注視、ドル続落も

<< 東京市場の動き >>

23日の東京市場は、ドル安・円高。それも、「寄り付き高・大引け安」の様相で、見た目以上にドルの弱さが目についた。

ドル/円は寄り付いた109.80-85円を日中高値に、緩やかな右肩下がり。下げ幅そのものは30ポイント程度と決して大きくなかったが、新型肺炎への警戒感が依然として強く、また日経平均を中心とした日米などの株価も冴えない。リスク回避の動きが活発で、終盤にかけては109円半ばまでドルは値を崩す局面も。16時時点では109.55円前後で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、幾つかの「トランプ発言」と「新型肺炎」について。
前者については、参加していたダボス会議でトランプ米大統領が欧州委員長と会談し貿易協議進展に意欲示すなか、FOXニュースはトランプ氏へのインタビューとして「欧州車に25%の関税をかける方針を再表明した」と報じ思惑を呼んでいた。そのほか、自身の弾劾裁判について「完全なでっち上げで恥ずかしいこと」などと述べ、野党・民主党の対応を強く非難していたという。

対する後者は、時事通信が被害について「中国本土で患者数は540人を超えた」と報じるなど拡大の様相を呈するなか、注目されていたWHOの緊急委員会は「国際的な公衆衛生上の緊急事態」の宣言についての判断を保留。委員会で23日にも継続的に討議することを明らかにしたが、金融市場の失望をかっていた感は否めない。そののちも、中国湖北省の武漢市が感染拡大を封じ込めるため、日本時間23日午前11時から公共交通機関の運行を一時停止すると発表するなど、混乱は依然として続いているようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

「新型肺炎」に関する警戒感は依然として強く、為替市場においてはリスク回避の動きから円が嗜好される展開が続いている。ドル/円は本日東京時間に109円半ばまで下落し、109.75円という直近安値を下回ってきた。米国を中心とした株価の動き次第とは言え、レンジの下限割れを受け、下方向のリスクが高まってきた感を否めず、続落にも要注意。ちなみに、テクニカルには移動平均の25日線が位置する109.35-40円が次のターゲットになる。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「ウクライナ疑惑(トランプ氏弾劾の動き)」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型肺炎」など注意すべき要因はいまだ数多い。

そうしたなか、目先市場で注視されているのは「新型肺炎」と、本格的な審議がいよいよ始まった「ウクライナ疑惑」に関する話題。うち後者については、先で指摘したようにトランプ氏が「でっち上げ」などと強く反発する一方で、ポンペオ米国務長官が「法的な義務がある場合は証言を行う用意がある」との考えを示すなど、まだまだ予断は許さず紆余曲折ありそうだ。

テクニカルに見た場合、昨日はドルのレンジ下限割れが失敗に終わった感も見られたが、本日東京で109.75円を割り込み109円半ばまで下落するなど、ドルの下値余地が拡大した感がある。ちなみに、次のドルの下値メドは移動平均の25日線が位置する109.35-40円。仮にそのレベルを下回ると109円前後、108円半ばなどがターゲットに。

一方、材料的に見た場合、12月の景気先行指数や1月のカンザスシティ連銀製造業活動指数といった米経済指標が発表される予定となっている。足もとドルの地合いが弱いだけに、指標内容が悪化した際の動きなどにも一応要注意。
また、先で指摘した新型肺炎に関するWHOの緊急委員会は、昨日判断を保留したうえで、23日にも継続討議を行う予定だという。発表される判断は引き続き注視されている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.20-110.00円。ドル高・円安方向は、ドルの上値が需給的にも重くなっているようで、110円手前の攻防にまずは注視。超えれば昨日高値の110.10円や110円半ば、110.65-70円などを目指す。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である109円半ばが最初のサポート。割り込むと移動平均の25日線が位置する109.35-40円、109円前後、108円半ばなどがターゲットとなる。(了)

新型肺炎に関する報道など注視、ドル続落も

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