ドル円、新型肺炎に端を発したリスクオフで一時2週間ぶり安値圏へ
海外時間の為替概況
23日(木)の海外市場でドル円は続落。@109.70近辺に控える支持帯(サポート水準)を下抜けすると、A短期筋によるストップの発動や、B新型コロナウィルスの感染拡大を受けたグローバルなリスク回避ムード、C米・12月景気先行指数(結果▲0.3%、予想▲0.2%)の冴えない結果が重石となり、米国時間にかけて、1/9以来、約2週間ぶり安値となる109.26まで下げ幅を広げました。しかし、D世界保険機構(WHO)が緊急事態宣言を見送ると、リスク回避ムードが幾分後退し、引けにかけては、米主要株価指数の下げ幅縮小を横目に、ドル円も持ち直す展開となりました。本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では109.48近辺で推移しております。
ユーロドル相場は大幅安。ラガルド総裁がECB理事会後の記者会見で、ハト派的な見解(@非常に緩和的な政策が長期に亘り必要、A成長見通しのリスクは依然として下向き、Bインフレ回復せず政策を再検討)を滲ませると、対主要通貨でユーロ売りが加速し、米国時間にかけて、昨年12/2以来、約1ヶ月半ぶり安値となる1.1036まで急落しました。引けにかけて持ち直すも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では1.1055近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、1/17に記録した高値110.29をトップに反落に転じると、昨日は一時109.26まで下げ幅を広げました。この間、109.70近辺に控える支持帯(サポート水準)や、一目均衡表転換線を下抜けするなど、テクニカル的にみて、やや「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となりつつあります。ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、Aトランプ米大統領の弾劾リスク、B米国ファンダメンタルズの冴えない結果、C米中貿易摩擦の再燃リスク(第1段階合意署名は実現するも、第2段階合意は後ずれする公算大)、D朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、E新型コロナウィルスの感染拡大リスクなど、ドル売り・円買いを想起させる材料がたくさん残っている状況です。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「上値の重さ」が意識されます。WHOが非常事態宣言を見送ったことで、足元幾分持ち直す動きが見られていますが、引き続き予断を許さない状況が続くと考えられます(本日も新型コロナウィルスに絡むヘッドラインに振らされる神経質な展開が継続する可能性大。感染拡大の報道がなされれば、リスク回避ムード再燃→株安・円高に波及する恐れも)。また、本日発表される米経済指標(米・1月製造業PMIなど)が冴えない結果となった場合にも、米長期金利低下→ドル売りの経路でドル円が下げ幅を広げるシナリオが想定されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円の軟調推移(戻り売り)をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:109.00ー109.80
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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