<< 東京市場の動き >>
16日の東京市場は、前日の「写真相場」。109.80-00円という20ポイントレンジの上下動に終始している。
ドル/円は109.85円レベルで寄り付いたものの、終日を通して積極的な動意に欠ける。マーケットで注視されていた米中通商協議の第1段階合意がなされたことで目先は材料難になっている。また、前日に4日ぶりの反落となった日経平均株価は再びプラス圏を回復したものの、わずか16円高にとどまったこともあってか、目立った影響は見られなかった。16時時点では109.90-95円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中通商協議」と「ロシア政治情勢」について。
前者については、事前予想通り米中が「第1段階の貿易合意に署名」したものの、トランプ米大統領が「すべての対中関税は、第2段階の合意をまとめた時点で引き下げる」と発言したことを受け、2国間協議の継続が再確認された。目立った好感もなければ悲観もなし。ただ、そうしたなか中国の共産党系情報紙である環球時報は「第2段階通商交渉がすぐには始まらない可能性がある」などと報じていた。
対する後者は、「メドベージェフ首相がプーチン大統領と面会し、内閣が総辞職すると表明」したことが一部で話題に。プーチン氏が2024年に任期終了を控える自身の権力長期化を考えての行動とみられるが、年次教書演説で「議会の権限強化に向けた憲法改正提案」したこととあわせ、様々な憶測を呼んでいた。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日のNY時間には「米中通商協議の第1段階合意の調印式」が行われたものの、いわゆる「積み残し」あるいは先延ばし案件も多く、米中とも表面的には面目を保つ格好となった。痛み分けといったところか。一方、トランプ氏からは第2段階に向けた協議の早期開始をせっついている感もうかがえたが、第1段階ほどの熱量は乏しく、ゴールはまだまだ遠いと言わざるを得ないだろう。そうしたなか、リスクという点では依然としてドル高方向にバイアスが掛かるとは言え、先日ほどの「強気」一辺倒ではなくなっているだけに、しばらくは110円前後でのドル強保ち合いをたどる可能性もありそうだ。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など注意すべき要因は依然として少なくないが、「米貿易問題」や「米金融政策」は目先について優先順位が後退している感もある。と言うより、喫緊の注目材料から外すことも検討する必要があるかもしれない。なお、市場筋のあいだで、目先は経済指標や企業決算などを含めた米国のファンダメンタルズ要因に注目が集まるとの指摘も聞かれていた。
テクニカルに見た場合、油断は禁物だが、先日記録した110.21円で目先のドル高値をつけた感もある。ドル高傾向は続いているものの、110円台では上げ渋る展開がしばらく続くとの見方は少なくない。ただ、一方でドルの下値も堅く、本日東京も下げ止まった109.80円レベルがかなり強いサポートとして育ちつつあるようだ。
本日は12月の小売売上高や1月のフィラデルフィア連銀景況指数といった米経済指標が発表されるほか、モルガン・スタンレーなどの決算発表も予定されている。それら要因には注意を払いたい。
また、一日置いて冷静さを取り戻してのNYダウなど米株の動き、「米中通商協議の第1段階合意」の影響を注視している向きもあるようだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.50-110.30円。ドル高・円安方向は、目先高値110.21円の攻防にまずは注視。超えれば、フィボナッチを参考にした110円半ばなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期ベースで見た場合、今週だけで3-4回下げ止まっている109.80円前後が目先のサポートか。ただ、仮に下回っても底堅そうで、先週末のNY安値、ドル高が開始した起点になったと目される109.40-45円までの下げが目先は精々かもしれない。
ドル円時間足
オーダー/ポジション状況
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