ドル円 中東リスク後退、一転してドルの続伸期待も(1/9夕)

9日の東京市場は、ドル堅調裡。前日記録した戻り高値を更新、109.30円台まで一時値を上げている。

ドル円 中東リスク後退、一転してドルの続伸期待も(1/9夕)

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9日の東京市場は、ドル堅調裡。前日記録した戻り高値を更新、109.30円台まで一時値を上げている。

ドル/円は109.05-10円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。109.00-15円といったレンジ取引をたどるも、日経平均株価が終値ベースでも535円という大幅高をたどったことなどが好感され、リスク志向の動きが強まった。レンジを上抜けすると、一時109.30-35円まで上昇する局面も観測されている。16時時点でもドルは高値圏である109.25-30円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「中東リスク」について。
注目されていた東京未明の演説で、トランプ大統領は「軍事力を行使したくはない」などと述べ、とイランへの報復攻撃に否定的な考えを示している。それを受け、米・イラク間の緊張が緩和するとの期待感が高まると、米株やドルなどの買いを後押ししていた感を否めない。

ただ、これで完全なる幕引きかと言うと、そうでもなくいまだ懸念を抱く向きも多い。たとえば、先の演説でもトランプ氏は「イランへの追加制裁を発動へ」と発言しているほか、そののちスカイニュースは「イラク・バクダッドのグリーンゾーン(旧米軍管理領域)に数発のロケット弾が撃ち込まれた」と報じていた。火種そのものは、まだしばらくくすぶり続ける可能性もありそうだ。

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一時はかなり緊迫した状況もみられた米・イラン情勢だが、未明のトランプ発言を受けて不安感はかなり後退した感がある。それがドル/円については、足もとのドル高・円安に繋がっており、一時期107円台を記録したような下値不安は目先完全に雲散霧消した。むしろ、昨年12月の半ば以降に幾度となくトライしては越えられなかった110円の壁を目指すといった見方、ドル続伸を期待する声も少なくない。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など注意すべき要因が目白押し。うち「イラン情勢」については、前述したような不安感の後退もあり優先順位が下がるなか、本日は「英国情勢」と「米ファンダメンタルズ」への関心が高いようだ。後者については、昨日発表されたADP雇用統計が予想以上の好数字で、明日の米雇用統計への期待感が一層強くなっているうえ、本日は米地区連銀総裁らの講演などが相次ぐことで、要人発言に対する警戒感を抱く向きも多い。

テクニカルに見た場合、昨年12月後半に示現した109.70円レベルから、年明けにかけて一時2円ほど下落したものの、切り返すと全戻しを視界内に捉えた動きとなっている。つまり、ドルが続伸した場合のターゲットは、まずは109.70円レベル。それも越えれば、いよいよ110円トライが見えてくる。
対するドルのサポートは、109円前後に位置する移動平均の25日線、108.60円前後に位置する同200日線などとなる。

これから週間ベースの新規失業保険申請件数という米経済指標が発表されるものの、基本的に影響は限定的か。ただ、本日はクラリダFRB副議長やカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、ウィリアムズNY連銀総裁などによる講演が相次ぐことで、その内容には要注意。
また、講演でいえば米国以外でも、カーニー英中銀総裁やポロズ・カナダ中銀総裁らが実施する予定となっており、そちらも一応注意しておきたい。さらに、英議会下院で実施予定のEU離脱条件などを盛り込んだ関連法案採決も、場合によっては市場の波乱要因となる可能性がある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.80-109.70円。ドル高・円安方向は、昨年12月に幾度となくトライするも越えられなかった109.70-75円の壁をめぐる攻防をまずは注視。超えればいよいよ110円台乗せが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日欧米時間に109円台を回復して以降、しっかりと割り込めていない109円レベルが最初のサポートか。ただ、かなり底堅い印象で、割り込んでも20ポイント刻みぐらいで弱いサポートが断続的に存在している。

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