<< 東京市場の動き >>
週明け16日の東京市場は、レンジ取引。早めの時間帯こそ若干の動きがあったものの、一巡後は凪相場に。以降は109.35-45円という、わずか10ポイントの横ばい商状だった。
前週末には、ようやく合意にこぎつけた「米中通商協議」を受けて、中国政府は「15日からの対米追加関税の発動見送り」を発表した反面、米NEC委員長から「中国が合意条件不履行なら関税措置を講じる」とした発言も聞かれるなど、一筋縄ではいかない雰囲気も。
そうした状況下、週明けのドル/円は前週末のNYクローズと大差ない109.25-30円で寄り付いたのち、若干の上下動を見せたが動意はそこまで。以降は凪相場となり、わずか10ポイント程度の横ばい商状で動意が乏しいまま取引が終了している。
為替市場全般が小動きをたどるなか、ひとり気を吐いたのがポンド。対円では早朝を安値に、夕方にかけて緩やかな右肩上がり。145.70円前後から146.80円程度台まで、一時1円強の上昇が観測されていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中通商協議」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、先週末合意にこぎつけた「米中通商協議」を受け、当初は安心感が台頭するも、その後は再び不安感に苛まれた感がある。たとえば、先で指摘した米NEC委員長発言のほか、ブルームバーグは「トランプ氏自賛の中国農産物購入目標に疑義」などとし、中国による年間500億ドル規模の米国産農産物購入がそもそも可能なのか疑問が生じている、と指摘していた。
それに対して後者は、朝鮮中央通信が「北朝鮮は13日にミサイル発射場で再び重大実験を行った」と報じ思惑を呼ぶなか、北朝鮮軍の朴総参謀長から「我々を刺激する言動を慎んでこそ年末を安心して過ごせるだろう」とした米国を威嚇するコメントも聞かれ、警戒感が高まる格好に。なお、米国拠点の北朝鮮分析サイト「38ノース」は、北朝鮮が一度目の「重大実験」を実施した7日以降も、「北西部東倉里の西海衛星発射場で活動を継続している」との分析結果を公表している。
<< 欧米市場の見通し >>
先週末にかけて、ドルは一時109.70円台まで上昇。月間高値に面合わせするなどレンジを上抜けた感も見られたが、その後の展開をみると、よもやの「ダマシ」だった可能性も出てきた。少なくとも、勢いさながら110円抜けトライも時間の問題と予想していた展開が改めて出直しとなった感は否めない。109円を挟んで上下50ポイント程度をコアレンジとしたレンジ取引をしばらくのあいだたどることもありそうだ。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など気になる継続案件が少なくない。いずれも注意を要するが、なかでも「米中情勢」と「ウクライナ疑惑」が気掛かり。前者については、先で取り上げた「通商合意」への根強い不信感もさることながら、香港や台湾あるいはウイグルをめぐる小競り合いが続いているうえ、先週末には「米がスパイ容疑で中国大使館員を追放、海軍基地への侵入図る」−−などとしたニュースも観測されていた。すべての米中情勢が完全に鎮静化するには、まだまだ時間がかかりそうだ。
テクニカルに見た場合、先週末に月間高値109.73円に面合わせするも越えられず。110円超えのファーストトライは失敗に終わった格好だ。ただ、ドルの下値リスクが高まった感はなく、現状では飽くまで「上抜け失敗」といった様相。したがって、しばらくは108-109円台での保ち合いを経て、そののち再びレンジブレークに挑む−−といった見方もできる。
これから12月のNY連銀製造業景況指数や同NAHB住宅市場指数といった米経済指標が発表される予定となっており、それらの内容にまずは要注意。先日のFOMCで来年の米利上げについては「見送り」方針が示されたが、それを覆すような内容が示されるのかに注目したい。
また、日本時間では明日の早朝になるが、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁による講演も気掛かりだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.00-109.80円。ドル高・円安方向は、先週末高値の109.71円をめぐる攻防にまずは注視。超えれば、心理抵抗の110円が名実のメドとして意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日安値も近い109.20円レベルに弱いサポートが位置。下回っても、109円の少し下には移動平均の25日線や200日線があるなど、依然として底堅いイメージは残る。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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