ドル円、リスク選好ムード継続で再び上昇。一時直近高値圏に迫る場面も
海外時間の為替概況
16日(月)の外国為替市場でドル円は上昇。先週末金曜日に、@米中協議が第1段階合意に至ったこと(=米中リスク後退)、A英総選挙で与党保守党が圧勝したこと(=英合意なき離脱リスク後退)、B上記@Aを受けて欧米株が堅調に推移するなど、グローバルにリスク選好ムードが広がったこと(米ダウ平均株価はザラ場で史上最高値更新、米10年債利回りは1.831%から1.892%へ急上昇)、C米・12月NAHB住宅市場指数(結果76、予想70)が1999年6月以来の高水準を記録したこと等が支援材料となり、ドル円は、米国時間正午にかけて、高値109.68まで上昇しました。もっとも、先週末金曜日に記録した直近高値109.71や、12/2に記録した高値109.73を前に伸び悩むと、引けにかけて小反落。本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では109.61近辺で推移しております。
ユーロドル相場は底堅い動き。@ドイツ・12月製造業PMI(結果43.4、予想44.6)や、Aユーロ圏・12月製造業PMI(結果45.9、予想47.3)が市場予想を下回ったことで一時1.1126まで下げ幅を広げるも、BカーニーBOE総裁による「総選挙を経て合意なき離脱リスクは後退した」との発言を受けて英ポンドが上昇すると、連れてユーロドルも底堅さを取り戻す展開となり、米国時間朝方には、高値1.1158まで上昇しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では1.1148近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
海外時間のドル円は世界的なリスク選好ムードに下支えされる形で一時109.68まで上昇しました。強い買いシグナルを表す三役好転(ローソク足の一目均衡表雲上限突破、一目均衡表転換線の同基準線上抜け、遅行線のローソク足突破)も出現するなど、テクニカル的にみて「地合の強さ」が意識されるチャート形状となっております。目先は、12/13高値109.71や、12/2高値109.73、5/30高値109.94、心理的節目110.00を試す動きとなりそうです。
ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違いや、Aトランプ米大統領の弾劾リスク、B米国ファンダメンタルズの不冴な結果(※昨日はNAHB住宅市場指数が強かった一方、NY連銀製造業景気指数や、米製造業PMIは市場予想を下回る冴えない結果となった)、C世界的な貿易戦争波及リスクなど、ドル売り・円買いを想起させる潜在的な悪材料はくすぶるものの、D米中対立激化と、E英合意なき離脱といった今年の2大リスク要因が揃って後退したことで、少なくとも年内はリスク選好ムードが続くと考えらえます。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「更なる上昇」が期待されます。米経済指標(住宅関連指標や、鉱工業生産など)や、米当局者発言(NY連銀ウィリアムズ総裁講演やボストン連銀ローゼングレン総裁講演など)、トランプ米大統領弾劾を巡るヘッドラインや、米中及び英国を巡る続報を睨みながらも、ドル円は上値余地を探る展開となりそうです。
本日の予想レンジ:109.20ー110.00
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2019.12.17
ドル円見通し 再び110円に迫るが12月13日高値とのダブルトップ気配(19/12/17)
高値形成期は16日午前から18日午前にかけての間と想定されるが、米中協議合意報道による急伸だったためサイクルトップ形成が短縮される可能性がある。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2019.12.16
ドル円 110円トライは仕切り直し、再びレンジか(12/16夕)
週明け16日の東京市場は、レンジ取引。早めの時間帯こそ若干の動きがあったものの、一巡後は凪相場に。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。