<< 東京市場の動き >>
12日の東京市場は、ドルが小じっかり。値幅は20ポイントにも満たなかったが、終盤にかけてじり高推移となり、ドルは高値圏で大引けている。
ドル/円は108.50-55円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。ただ仲値前後に日中安値である108.45円レベルをつけると、その後はじり高推移となった。日米株価の動きなどをにらみつつ、夕方には108.60-65円まで上昇し、16時時点でドルは終日を通した高値圏で推移、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」と「米中通商協議」について。
前者はFOMCにおいて、大方の予想通り「現行目標水準での金利据え置き」かつ「現行の金融政策スタンスは適切」と発表された。その後のパウエルFRB議長の記者会見で「利上げの必要性は少ない」とのコメントが聞かれたほか、参加者の「政策金利見通し(ドットチャート)」では来年いっぱいの金利据え置きが示され、FRBは利上げを急がないとの見方が改めて強まったことがドルの弱材料に。
それに対して後者は、米農務長官が連日のポジティブ発言。この日は記者団に対し、「中国が大豆に関して追加関税を除外する手続きを取ったことは、米国との農産物貿易での進展を示すもの」などと発言していた。なお、そののちロイターが「トランプ氏、15日の関税発動めぐり12日にライトハイザー米通商部代表ら関係閣僚と協議」と報じ、こちらも思惑を呼んでいた。
<< 欧米市場の見通し >>
過去1週間あまり続いている108.40-109.00円という、わずか60ポイント程度のレンジ相場からの脱却が期待されていた昨日の米FOMCだが、結局乱高下は多少あったもののレンジを放れることは出来なかった。市場の関心は、週末15日に「関税発動期限」を迎える米中通商協議の行方に戻った。予断を許さないが、目先は108円台での一進一退が続く可能性もある。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など気になる継続案件が少なくない。いずれも注意を要するが、本日はいまだ予断を許さない「米中情勢」といよいよ総選挙が実施される「英国情勢」が気掛かりだ。なお、後者の「英総選挙」は12日投開票ながら、投票終了後の大勢が明らかになるのは早くてもNY終盤以降、基本的には明13日の東京市場においてとなる見込み。したがって、影響は今日というより明日になるのかもしれない。
テクニカルに見た場合、昨日のFOMC後も108.40-109.00円という、およそ60ポイント程度のレンジ取引は変わらず。したがって、引き続きレンジ放れのタイミングと、その方向性が注視されている。
上抜けた際には109.20円や月間高値の109.73円などがターゲットとなる反面、下方向に振れれば11月14日安値の108.23円、あるいは11月安値107.89円などが意識されそうだ。
本日は、11月の米生産者物価指数が発表される予定となっているものの、正直言って市場の関心はそれほど高くない。
それより本日はECBによる政策金利発表や英総選挙などの欧州情勢、ならびに先で取り上げたロイター報道「トランプ氏、15日の関税発動めぐり12日にライトハイザー米通商部代表ら関係閣僚と協議」に注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.20-109.00円。ドル高・円安方向は、ここ1週間程度のレンジ上限である109円レベルが依然として抵抗に。超えれば、109.20円や月間高値の109.73円などがターゲットとなりそう。
対するドル安・円高方向は、昨日も近いレベルで下げ止まった先週安値108.43円を割り込めるか否かにまず注目。下回った場合には11月14日安値の108.23円、そのレベルを割り込むと107円台突入も。
ドル/円2時間足
オーダー/ポジション状況
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