米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利結果(2019年12月10日・11日開催分)

12月10日・11日開催のFOMCステートメントが公表されました。

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利結果(2019年12月10日・11日開催分)

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利結果

12月10日・11日開催のFOMCステートメントが公表されました。
今回はエコノミスト予想通りの据え置きとなりました。以下は要旨の和訳となっています。

(1)FOMCステートメント

10月開催のFOMC以降に受け取った情報では、労働市場は引き続き堅調であり、経済活動は緩やかな割合で上昇している。雇用は、ここ数ヶ月平均的に堅調で推移し、失業率は依然低い。家計支出は強いペースで上昇しているけれども、企業の固定投資は低いままである。12ヶ月ベースで、全般的なインフレと食品・エネルギー除くインフレは2%を下回る水準で推移した。
ブレーク・イーブン・インフレ(原文inflation compensation:市場が期待するインフレ率)の市場調査は低いままで、より長期のインフレ期待値の調査ベースではほとんど変わりなかった。

FRBに与えられた法定任務に関し、委員会は最大雇用を促進し物価安定を目指している。委員会はFFレートの目標レンジを1.50%〜1.75%に維持することを決定した。委員会は現状の金融政策が、経済活動の持続的拡大、強い労働市場の状態、及び委員会の目標としている2%に近いインフレを維持するのに適切であると判断した。委員会は経済見通しに対して、世界経済の進展、インフレ圧力、FFレートの適切な目標レンジを査定することを含め、入手する情報を精査し続けることになる。

FFレートの目標レンジの将来的調整に関しその時期や調整幅を決定するに際しては、委員会は最大雇用目標と2%のインフレ目標に照らし合わせて、実現した数値や期待される数値を査定していくことになる。この査定は労働市場の状況測定、インフレ圧力やインフレ期待値の指標、そして金融市場や国際情勢の進展具合含めて、幅広い情報を考慮することになる。

金融政策の行動に関する賛成票:パウエルFRB議長、ウィリアムズ副議長、マイケル・ボウマン、 ラエル・ブレイナード、ジェームズ・ブラード、リチャード・クラリダ、チャールズ・エバンス、エスター・ジョージ、ランダル・クォールズ、そしてエリック・ローゼングレン
(上記出所:FRB HP)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。



(2)FRBの見通し

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利結果

(出所:FRB HP)
同時に発表されたGDP・失業率・インフレの中央値(表の左数値)は9月時点の見通しとほとんど変わっていません。僅かに失業率が幾分改善傾向になると見ている位です。
一番下段の赤いラインで引いたFFレート見通しでは2019年(1.6%)と2020年(1.6%)で全く変わず、レンジ幅も大したものではないので、現時点ではFFレートを来年も据え置き見通しを示唆しています。

(3)CME Fedwatch


米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利結果 2枚目の画像

僅か1日ですが、来年1月の利上げ予想がいなくなりました。若干ながら利下げ予想が増え、
来年3月には利下げが16%まで増えています。

ドル円相場はFOMC前に108円65銭〜70銭で推移していましたが、FOMCの2020年もFFレートを据え置く方針に10年債金利が低下し、ドルは108円47銭まで売られました。一方で株価は低金利政策継続で小幅高となりました。

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利結果 3枚目の画像

上のチャートはドル円週足ですが、2018年10月初から始まったドル安トレンドラインは健在です。103円80銭〜110円70銭のライン内で上昇ウェッジを形成し、切ればドル下落のリスクが高まっています。実際に先週はラインを下抜き、今週には昨日までで完全下抜き(ウェッジライン下限に触れない)となっています。今年5月にも上昇ウェッジを下抜き、その後は105円絡みまでドルが下落しました。
現在はECB金融政策やNY株堅調でドル売りの勢いが見えない状況です。今日のECBや英国選挙結果見た上で、来週以降の流れになりそうです。

今日のところは108円40銭、108円20銭、107円80銭〜90銭にサポートがあり、最初を切って終わった場合にドル下落リスクが高まり始めます。上値は108円90銭、109円40銭〜50銭に抵抗線が控え、後者を越えて終わると、上昇ウェッジ抜けが一度騙しとみられそうです。

(2019年12月12日14:30、1ドル=108円59銭)

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