<< 東京市場の動き >>
3日の東京市場は、ドルが小幅高。レンジ的には30ポイントにも満たなかったが、「寄り付き安・大引け高」で見た目以上にドルの強さが際立っている。
ドル/円は寄り付いた108.95円前後を日中安値にじり高推移。夕方にかけては109.20円レベルまで一時値を上げてきた。
日経平均株価は終値ベースで149円安。大きく下落したものの、ザラ場ベースでは300円以上下落しており、それからすると、かなり下げ幅を縮小してきた計算で、むしろドルの買い要因に。16時時点では109.10-15円で推移し、欧米市場を迎えた。
材料的に注視されていたものは、「米中通商協議」と、それ以外の「米中情勢」について。
前者は、中国共産党系の環球時報がツイッターへの投稿で、米中通商協議の「第1段階」部分合意について、「中国側はすでに発動済みの追加関税の撤回を求めている」と指摘し物議を醸すなか、米国サイドからもロス商務長官が「トランプ氏、中国と合意なければ関税を引き上げる」と改めてプレッシャーを掛けたことが話題となっていた。また、当のトランプ米大統領自身も「中国は米国との取引を望んでいるが、今後の様子を見守る」と発言、これまでのような前向きではなく、かなりトーンダウンしている感を否めない。
それに対して後者は、中国が「米軍の艦艇や航空機が整備のため香港に立ち寄ることを一時拒否する措置を決定、即日実施」と発表。これが米の香港人権法成立への抗措置として話題に。一方で、米国防総省は「寄港拒否の見直し」を要求する声明を発表したが、中国が即座に応じる可能性は低そうだ。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日の東京時間、米ニュースサイトのアクシオスが「米中通商協議が香港人権・民主主義法が原因で行き詰まった」と報じた段階で、イヤな感じはあったのだが、その後NYダウなどが予想以上に下落したこともあり、ドル/円相場も昨日NY時間にドルも冴えない動きとなった。さらなる調整、ドルの下押しが入るかどうかは発表される米経済指標や米株の動き次第だが、それでも110円トライに向けた流れは一旦仕切り直しか。109円台を中心とした動意が目先は続く可能性も否定出来ない。
材料的に見た場合、「米貿易問題」、「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」、「トルコ・シリア情勢」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など気になる継続案件は依然として少なくない。そうしたなか、目先的には香港や台湾、ウイグル問題などを含めた「米中情勢」、そして「米ファンダメンタルズ」が引き続き注視されている。また、それとは別にNATO首脳会議出席でトランプ米大統領が訪英していることから、英国や欧州に向けたトランプ氏の発言などを警戒する声も少なくないようだ。
テクニカルに見た場合、昨日欧米時間、まさかのドル急反落で110円トライは一旦仕切り直しに。ただ、その後の動静をみても、移動平均の200日線が位置する108.90-95円では下支えられており、ドルの下値やはり堅そう。仮に続落したとしても、下値は限定的かもしれない。それに対するドルの目先抵抗は109円半ば、そして昨日高値の109.73円となる。
これから幾つかの米経済指標が発表される予定だが、どれも小粒でマーケットの関心はさほど高くない。基本的にはノーインパクトか。
それによりむしろ、NATO首脳会議における発言を含めた、訪英中のトランプ米大統領の一挙手一投足に要注意。たとえば、先週末にジョンソン英首相は米大統領の訪英について、「12日の英総選挙にトランプ氏が関与しないことが最善と述べた」とされているが、そんな米英首脳会談が実施される見込みになったと一部で報じられていたほか、実際に米仏首脳会談が行われる予定で注目を集めている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.60-109.50円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である109.20円レベルが最初の抵抗。超えれば109円半ば、あるいは昨日高値109.73円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、今回再びサポートされた移動平均の200日線をめぐる攻防にまずは注視したい。ただ、そのスグ下には同21日線も位置するなど、仮に割り込んでも底堅そう。108円前半までの下げがあれば御の字だろう。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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