ユーロドル 米指標悪化、貿易摩擦懸念再浮上による急上昇で一転ダブルボトム形成か
3日の東京市場でユーロドルは1.10台後半での小動き。日中レンジは1.1071-85と限られ、東京時間18:30現在は1.1080レベルで取引されています。
昨晩海外時間に発表された米ISM製造業指数、建設支出等の数値が事前予想を下回ったことから、ドルが全面安となり、ユーロドルは1.1003から1.1090まで急上昇、最近になく大きな動きとなりました。
このところ米経済指標もよい結果が目立ち、市場に楽観ムードが強かった中での重要指標の悪化に、市場は意表を突かれた格好となりました。更に米国のアルゼンチン、ブラジルに対するアルミ、鉄鋼関税の復活、フランスのデジタル課税に対抗しての報復関税実施の可能性の示唆等、貿易面でも悪材料が加わって、各市場とも最近の動きに逆ねじを巻かれた形です。
昨晩はラガルドECB新総裁が議会証言を行いましたが、緩和姿勢の堅持、財政出動の重要性の強調、と従来のトーンを繰り返し、また、ECBの主要目標と政策手段を戦略的に見直すとの意向を再度示すなど、ほぼ想定内の内容となり、市場の反応は限定的でした。
テクニカルにはユーロドルは昨晩の上昇で、当面のレジスタンスと見られていた一目均衡表の「雲」を上に突き抜け、その間に転換線、21日移動平均線、90日移動平均線、基準線等の抵抗線もすべて破られています。結果としてチャートの形状は大きく変化し、11/21の高値1.1097をネックラインとしたダブルボトムが形成されつつあるように見え、その場合ターゲットは1.12台前半となります。
今晩この後重要な経済指標等の発表はありませんが、序盤の欧州株価指数先物は自律反発的な動きから概ね上昇して始まっています。ユーロドルも引き続き米中、米国とその他の国々の貿易摩擦問題絡みの動きと株価の動向にらみですが、今晩の動きの中では、ユーロドルが雲の上の位置を維持(上限1.1076)できるか、上記ネックライン(1.1097)をヒットしてダブルボトム形成にもっていけるか等が注目点となります。
ユーロドル日足
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