<< 東京市場の動き >>
13日の東京市場は、基本揉み合い。109円を挟んだ30ポイントにも満たないレンジ取引で、明確な方向性は乏しかった。
ドル/円は109円前後で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける展開。108.85-109.10円といったレンジ取引に終始している。日経平均株価が終値ベースで200円安、時間外で取引されているNYダウ先物も60-80ドルほど下落したが、ともに為替市場への影響は限定的だった。16時時点では、109.05-10円で推移、欧米市場を迎えている。
そうしたなか、NZドルが対円やドルで一時急騰。対円では69円以下のレベルから70円近くまで、1円程度一気に値を上げる局面も観測された。利下げが予想されていたNZ中銀の政策金利発表において、予想外の「据え置き」と発表されたことが材料視されたという。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中を中心とした米貿易問題」について。
米中に関して言えば、注目された講演でトランプ米大統領が「中国との合意がなければ、関税を引き上げる」と発言した反面、「合意が近く実現する可能性はある」との認識も示した。強弱が混在したどちらともとれる発言で、動静を読みにくい。
また米中以外、たとえば日米については、時事通信が「政府・与党、『日米貿易協定』承認案について、週内の衆院通過を見送る方針を固めた」と報道し思惑を呼んでいたほか、米欧については、やはりトランプ氏が「EUには高い貿易障壁が存在する」などと指摘したようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
前述したように本日の東京時間、時間外で取引されているNYダウ先物小幅に弱含んでいるものの、NYタイムでは27500-27700ドルといった史上最高値圏での高原推移が続いている。そんな米株の堅調さに支えられ、ドルの基調も依然として強い。昨日高値109.29円を上抜ければ、ドルの戻り高値109.49円が視界内に捉えられそうだ。
材料的に見た場合、「米貿易問題」、「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」、「トルコ・シリア情勢」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など注目要因は盛りだくさん。そのいずれも要注意だが、とくにとなると引き続き「米中情勢」が注視されている。依然として不透明感が払拭しきれない米中通商協議の行方もさることながら、デモの過激化が指摘されている香港情勢をめぐる動きも気掛かりだ。うち後者の香港デモについては、中国が香港の警察官による実弾の発砲を支持するコメントを発しており、それに対する反発も広がっている。予断は許さないかもしれない。
テクニカルに見た場合、本稿執筆段階では109.00-05円に位置する移動平均の200日線に絡む動きだが、「しっかり」とは越えられない状況が続いている。ただ、キチンと足固めができれば昨日高値109.29円、そして109.49円などがターゲットに。
対するドルのサポートは、まず移動平均の25日線か。連日下値を切り上げており、ついには108.70円前後まで達してきた。こちらを逆に「しっかり」と下回るようだと、ドルにさらなる調整が入る可能性もある。
今後、10月の消費者物価など幾つかの米経済指標発表が予定されているものの、それよりむしろ要人発言や政治要因に要注意か。
前者で言えば、「パウエルFRB議長による米両院合同経済委員会証言」がもっとも注視されており、対して後者は「米下院における、野党民主党主導のトランプ大統領弾劾調査公聴会」が開始されることへの関心が高い。テレビ中継もされる事象だけに、状況次第では相場の波乱要因になりかねないとの警戒感を抱く向きも少なくない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.60-109.50円。ドル高・円安方向は、昨日高値109.29円が最初の抵抗。抜ければ109.49円、そして110円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である108.85-90円、そして移動平均の25日線が位置する108.70円前後をめぐる攻防にまずは注視。ただ、いずれにしても下値は依然として堅そうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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