ドル円、米中リスク再燃で一時108.65へ。サポートラインを巡る攻防に注目(11/14朝)

13日(火)の外国為替市場でドル円は下落。

ドル円、米中リスク再燃で一時108.65へ。サポートラインを巡る攻防に注目(11/14朝)

ドル円、米中リスク再燃で一時108.65へ。サポートラインを巡る攻防に注目

13日(火)の外国為替市場でドル円は下落。欧州勢参入後に一時109.15まで上値を伸ばすも、前日高値109.29をバックに戻り売りが強まると、@香港情勢の悪化や、A米・10月消費者物価コア指数(結果2.3%、予想2.4%)の予想比下振れ(但し、米・10月消費者物価指数は前年同月比1.8%と予想の1.7%を上回る結果)、Bダウ・ジョーンズ社による「米中貿易交渉は農産物の購入を巡り暗礁に乗り上げた(U.S.ーChina trade talks have hit a snag over agricultural purchases)」との報道、C米主要株価指数の上げ幅縮小及び、米長期金利の急低下(米10年債利回りは1.928%から1.869%へ急低下)などが重石となり、米国時間午後にかけて、安値108.65まで下げ幅を広げました。

もっとも、同水準(サポートラインが走る108.50ー60ゾーン、添付チャートの緑色線)では押し目買い意欲も根強く、引けにかけて持ち直す展開に。本稿執筆時点(日本時間朝5時00分現在)では、108.78付近で推移しております。尚、パウエルFRB議長は議会証言で改めて「利下げ休止のスタンス」を示しましたが、ドル円相場への反応は限定的となりました。

一方、ユーロドル相場は上値の重い展開。@ユーロ圏・9月鉱工業生産(結果▲1.7%、予想▲2.3%)が市場予想を上回ったこと、A米長期金利の急低下を受けて「ドル売り」地合いが強まったことを背景に、欧州時間序盤にかけて、一時1.1020まで上昇しました。しかし、B欧米貿易摩擦を巡る警戒感(トランプ米大統領による対EU自動車関税)や、CECBによる追加緩和観測が重石となると、心理的節目1.1000丁度を割り込み、10/15以来、約1ヶ月ぶり安値となる1.0995まで下げ幅を広げました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間朝5時00分現在)では、1.1004付近で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、109台前半で上値を抑えられると、米国時間にかけて、11/5以来、約1週間ぶり安値108.65まで下げ幅を広げました。リスク選好ムードに乗じた「俄かロング」のストップが発動する結果となっております。しかし、年初来安値104.45(8/26)をボトムとした中期サポートライン(現在は108.50ー60ゾーン)を割り込むには至らず、上昇から下落へのトレンド転換はひとまず阻まれる形となりました。同水準を明確に割り込まない限り、ドル高・円安基調は継続中と判断できます。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策格差(利下げに踏み切ったFOMCと、追加緩和の見送りを決めた日銀)や、Aトランプ米大統領の弾劾リスク、B米経済の先行き不透明感、C香港情勢の悪化、D米中協議を巡る先行き不透明感など、ドル安・円高に繋がり易い材料が増えつつあります。特に上記Dについて市場はとても神経質になっており、今朝のようなヘッドライン(ダウ・ジョーンズ社による報道)が再度出てきた場合には、ドル円がサポートラインを割り込む可能性もあり、注意が必要でしょう。

本日は、中国の主要経済指標(鉱工業生産や、固定資産投資、小売売上高)に加えて、米生産者物価指数、米当局者発言(クラリダFRB副議長や、シカゴ連銀エバンス総裁、パウエルFRB議長議会証言、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁)に注目が集まります。市場に安堵感を与える内容となれば、株価が底堅さを維持し、ドル円が再び109円台に戻すシナリオが想定されます。一方、悲観的な見方が広がれば、サポートラインを割り込み、上昇から下落へのトレンド転換も視野に入ります。当方では引き続き、ドル高・円安基調の継続をメインシナリオとして予想しており、「108.50ー60ゾーンは押し目買いポイント、同水準(サポートライン)を割り込めば躊躇なくストップ」といった戦略で臨む予定です。(本日の予想レンジ:108.40ー109.20)

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