<< 東京市場の動き >>
6日の東京市場は、小幅に円高。109円台前半を中心とした動きながら、終盤には一時109円を割り込む局面も観測されていた。
ドル/円は109.15円前後で寄り付いたものの、同レベルを日中高値にドルは小安い。前日欧米時間にドル高・円安が進行したことの反動もあり、散発的な調整売りに押されたものの下値も堅い。ただ、終盤にかけて109円を割り込むと、108.90-95円まで下落。16時時点では日中安値圏108.95-00円で推移し、欧米市場を迎えている。
材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米中通商問題」について。
前者は、EU首席交渉官から「英国の不公平な競争上の優位性を受け入れるつもりはない」とし、将来の対英貿易交渉は厳しい内容になるとの見方が伝えられるなか英下院が解散、12月12日総選挙に向けた選挙戦がいよいよ開始した。また、米英首脳が電話会談を実施、英首相はスコッチウイスキー関税撤回とともに、自動車に対する関税を導入しないようトランプ氏に要請したという。
それに対して後者は、まず発表された9月の米貿易収支で対中赤字が3.1%減、輸入だけにとどめれば実に4.9%も減少していた。関税をかけ合う米中貿易戦争の影響が大きく出ていることが改めて確認されたことになる。一方、米連邦通信委員会のパイ委員長は、中国のファーウェイについて「米国の通信ネットワークにおいて重大な懸念だ」と指摘したうえで、第5世代移動通信システム(5G)から排除の意向を示していた。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日欧米時間に再び8月高値109.32円に接近したが、またもや抜け切れず。本日東京では108円後半まで逆に押し戻される局面も観測されている。NYダウが連日で最高値を更新するような展開をたどっていることもあり、ドルは買われやすい地合いだが、直近だけで2度の上抜けを失敗したことは気掛かりだ。「仏の顔も三度まで」−−次回のドル上値トライが失敗すれば、本格的な調整を余儀なくされることになりかねない。
材料的に見た場合、「米貿易問題」、「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」、「トルコ・シリア情勢」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」−−など注目要因は依然として多く、いずれも大事。ただ、目先とくに注意すべきなのは「米中情勢」と「米ファンダメンタルズ」だろう。前者は貿易面こそ合意期待が強く、それがドル買いを支援しているものの、チリのAPEC開催中止もあり、両国の面談場所がいまだに決まらない。また、米中国防相が香港や台湾情勢について電話会談を実施したとされるなど、それらをめぐる小競り合いはいまだ継続中だ。トータル的に予断は許さない状況だ。
テクニカルに見た場合、ザラ場ベースでは8月高値109.32円に接近するも越えられず。ただ、昨日NYクローズベースでは移動平均の200日線(109.00-05円)は辛うじて上抜けてきた感がある。リスクという意味では上方向だが、いまひとつドルの強気にもなりきれず、もう少し状況を見極めたい。
なお、ドルのサポートはレベルをじりじりと切り上げつつある移動平均の25日線(108.30円レベル)で、しっかり割り込むようだと上値トライはダマシの可能性もでてくる。
今夜7-9月期の非農業部門労働生産性など幾つかの米経済指標が発表されるものの、いずれも関心はさほど高くない。もちろん数字次第だが、基本的に影響は限られそうだ。それによりむしろ、米財務省による10年債の入札や、ウィリアムズNY連銀総裁による討論会参加など、当局者による発言機会の多さに注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.50-109.40円。ドル高・円安方向は、昨日しっかりと上抜いた感もあった200日線が最初の抵抗。抜ければ109.30円レベルを再びチャレンジする展開も。
対するドル安・円高方向は、下値を連日切り上げており、小さなサポートが断続的に散見されている。それがドルの底堅さを醸すも、逆に断続的に割り込めばなし崩し的なドル安進行の懸念も残る。ただ、強いサポートとなると、やはり25日線か。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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