ドル円 上下とも動きにくく、新レンジ形成も(11/18夕)

週明けの東京市場は荒っぽい値動き。要人発言などに右往左往する展開ながら、しっかりとした方向性は定まらなかった。

ドル円 上下とも動きにくく、新レンジ形成も(11/18夕)

上下とも動きにくく、新レンジ形成も

〇東京市場のドル円、154.40円レベルで寄り付き、ドル売り優勢で日中安値153.85円レベルを示現
〇先週末に記録した156.76を当面の高値に、153-156をコアとした新レンジ形成する可能性も
〇基本的なリスクは引き続きドル高方向だが、21日線下回るとトレンドの変化もあり得る
〇ドル高円安方向、東京高値155.15レベルが強い抵抗、しっかり超えると156円近くまで戻ることも
〇ドル安円高方向、153.80レベルの攻防に注目、底堅いが下回ると21日線目指す
〇欧米時間のドル円予想レンジ:154.00-155.40

<< 東京市場の動き >>

週明けの東京市場は荒っぽい値動き。要人発言などに右往左往する展開ながら、しっかりとした方向性は定まらなかった。

週末は、石破首相が南米ペルーで中国国家主席らと相次ぎ会談を実施し、それが思惑を呼ぶ。一方、米新政権人事が引き続き話題となるなか、早くも一部で国防長官候補への醜聞が取り沙汰されていたようだ。
そうした状況下、ドル/円は154.40円レベルで寄り付いたのち、細かな上下動をたどるなかややドル売りが優勢。154円を割り込み、日中安値の153.85円レベルを示現している。しかし、安値を付けたあとは短時間で155円台まで急反発をたどるなど、なかなか激しい値動き。ちなみに、一連の動きのなかで植田日銀総裁から「経済・物価見通しが実現していけば政策金利を引き上げる」、「金融政策は毎回会合で検討し適切に政策運営」などといった発言が聞かれていた。結局、16時現在では寄り付きに近い154.60-65円で推移し欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「石破首相の外遊」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、APEC首脳会議出席のため南米を訪問中の石破首相が、現地で相次ぎ要人会談を実施。日米や日中、日韓、日米韓などの首脳会談を行ったものの、トランプ氏との会談は実施できず。読売新聞は、「トランプ氏陣営は来年1月の正式就任まで原則として外国首脳に会わない方針を決め日本側に伝えた」と報じていた。また、「APEC閉幕に合わせた集合写真の撮影の場に、石破首相が間に合わなかった」ことも別途話題に。今年9月に亡くなったフジモリ氏の墓で献花を行うなか、事故渋滞に巻き込まれ到着が遅れたという。会合そのものとは直接関係ないものだが、一国の宰相としてはいかがなものかと否定的な見解を述べる向きも少なくない。

後者は、注目すべき動きが幾つかあるなか、とくに次の2点が話題となっていた。ひとつは「独露首脳が電話会談、ウクライナ問題を協議した」こと、そしてもうひとつが「米国が方針転換しウクライナによる長射程兵器の使用を容認した」ことになる。前者については、とくにウクライナの不利になるような内容は無かったとされるが、ゼレンスキー大統領は強く反発。プーチン氏の国際的な孤立が緩み、ロシアに有利な流れにつながりかねないとして、ドイツの対応に不快感をにじませていた。対して後者は、ロシアサイドが即座に反応。同国下院のスルツキー国際問題委員長が、「深刻な結果を招くエスカレーションにつながるのは不可避だ」と述べ批判したと報じられている。

<< 欧米市場の見通し >>

まだ断定はできないが、ドル/円は先週末の東京時間に記録した156.76円が当面の高値になった感もある。実際、前述高値を付けたのち153.85円レベルまで、短時間で3円近い下落をたどっている。基本的なリスクは引き続きドル高方向だが、さらなるドル高進行には新たな材料が必要という気もしないではない。上値も重い状況下、153-156円あたりをコアとした新レンジを形成する可能性もありそうだ。
12月に発表される日米金融政策への関心が依然として高い。うち米国については、これまで「追加利下げ」を期待する声が優勢だったが、先週末に発せられたパウエル発言が思惑に冷や水を浴びせた格好となったことに続き、日本も「追加利上げ」を見込む向きが大勢を示していた。しかし、先で取り上げた本日の植田発言を受けて、「利上げ観測が後退した」との指摘が少なくないようだ。いずれにしても、実際の会合まで思惑が二転三転しそう。このあとの発表される日米の指標や要人発言などに注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円のドル高リスクそのものは継続しているが、短期的な上値トライは一服か。それほど下値リスクが高いわけではないものの、これまでの上昇スピードなどを勘案すると、短期的には意外にドル続落にも注意する必要がある気がしている。先週末と本日2度下げ止まった153.80円レベルに続き、153円台へといよいよ乗せてきた移動平均の21日線を下回ってしまうと、トレンドそのものの変化も考える必要があるだろう。

本日は米経済指標として、11月のNAHB住宅市場指数などが発表される予定だ。ただし、市場の関心がそれほど高い指標ではない。それよりむしろ政治情勢、APEC首脳会議に続き実施されるG20首脳会議などに要注意かもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは154.00-155.40円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の155.15円レベルがなかなか強い抵抗。ただ、しっかり超えるようだと156円近くまで戻っても不思議はないかもしれない。
対するドル安・円高方向は、先週末と本日で2度下げ止まった153.80円レベルをめぐる攻防にまずは注目。基本は底堅そうだが下回ると21日線を目指す。

上下とも動きにくく、新レンジ形成も

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る