東京市場のドルは154円台での推移、植田日銀総裁発言を消化する地合いに（24/11/18）

【本日の東京市場】

東京時間（日本時間8時から15時）のドル・円は、植田日銀総裁の講演内容を巡って上下に動く場面も見られたが、売買一巡後は154円台での推移となった。

先週末の海外時間では、米10月小売売上高が予想を上回ったほか、コリンズ・ボストン連銀総裁が12月の利下げは除外しないが、決定ではないとの発言を材料にドル買いが優勢となった。ただ、利下げ軌道は変わらずとの見方でドル買いが一服。トランプトレード一服でリスク選好の円売りが後退、日銀の追加利上げ観測を受けた円買いが強まり、一時153円台まで下落した。

東京時間では、植田日銀総裁が講演にて「見通しには様々なリスクの影響を注視することが必要」「毎回の会合で見通しをアップデートしながら政策を判断する」など金融緩和度合いの調整のタイミングは先行きの経済・物価・金融情勢次第であると繰り返した。タカ派な発言がなかったことから、ドル買い円売りが加速。153円台から一気に155円14銭までドルが買われたが、買い一巡後は154円台での推移となった。

ドル・円（日本時間8時―15時）
始値：154円55銭
高値：155円14銭
安値：153円84銭
終値：154円59銭　

ユーロ・円（日本時間8時―15時）
始値：162円77銭
高値：163円50銭
安値：162円27銭
終値：162円92銭

豪ドル・円（日本時間8時―15時）
始値： 99円79銭
高値： 103円38銭
安値： 99円56銭
終値： 99円97銭

ポンド・円（日本時間8時―15時）
始値：195 円02銭
高値：195円99銭
安値：194円37銭
終値：195円25 銭

日経平均（日本時間9時―15時30分）
始値：38259円59銭
高値：38548円30銭
安値：38150円39銭
終値：38220円85銭（前日比−422円06銭）

【本日の海外市場の重要指標】

日本時間

17時00分、欧、ナーゲル独連銀総裁が講演
17時15分、欧、デギントスECB副総裁がイベント開会挨拶
18時00分、欧、マクルーフ・アイルランド中銀総裁が金融システム会議に出席
22時00分、欧、レーンECBチーフエコノミストが講演
22時00分、欧、ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁がイベント出席
24時00分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁が会議出席
27時30分、欧、ラガルドECB総裁が講演

※予定は変更することがございます。

【今晩の海外時間の見通し】

本日の海外時間は、植田日銀総裁の発言を消化する展開となりそうだ。植田日銀総裁が本日発したコメントは下記の通りだ。

「見通しが実現すれば緩和度合いを調整」
「緩和度合い調整のタイミングは経済・物価・金融情勢次第」
「毎回の会合で見通しアップデートしながら政策判断」
「円安が経済に及ぼす全体的な影響を評価するのは難しい」
「見通しが順調だからといって毎回利上げするわけではない」
「トランプ政権の政策が世界経済に与える影響を注視、政策が明確になるまでには時間がかかる」

トランプ氏の話以外、ここ数回の日銀金融政策決定会合後の記者会見などの発言と目立った違いはなく、引き続き「積極的ではないまでも、追加の利上げには前向き」だったことから、海外時間での影響は限定的と考えるが、12月会合に対する思惑は海外時間でも意識されていることから、円買いの動きには注意したい。

日足の一目均衡表では、転換線、基準線ともに上向きでトレンドは強い。基準線が位置する151円50銭水準までの調整を警戒していたが、米長期金利の上昇に伴う日米金利差拡大を要因としたドル上昇は続きそうだ。いったん転換線まで調整したがトレンドは強いままと考える。

今晩の海外時間では植田日銀総裁の発言内容を気にした展開となりそうだが、追加の利上げ観測が意識されて、やや円高に振れる可能性がある。上値メドは155円50銭、下値メドは154円00銭とする。