ドル円は米雇用統計に注目、一転してドル続落懸念も(11/1夕)

1日の東京市場は小動き。108円挟みの非常に狭いレンジ取引で、明確な方向性はうかがえなかった。

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ドル円は米雇用統計に注目、一転してドル続落懸念も(11/1夕)

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1日の東京市場は小動き。108円挟みの非常に狭いレンジ取引で、明確な方向性はうかがえなかった。

ドル円は108円レベルで寄り付いたものの、NY時間に注目の米雇用統計発表を控えていることもあってか、積極的な動意に欠ける。株式市場の動きなどをにらみつつも、107.85-108.05円といった20ポイント程度のレンジ取引に終始した。16時時点では107.95-00円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、本日から11月相場入りをしたわけだが、ドル円以外でもユーロやポンド、豪ドルなどほとんどの通貨ペアが動意の乏しいスタートに。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「米中通商協議」について。
前者は、昨日の本稿執筆後、東京時間の17時過ぎに「北朝鮮が2発の飛翔体を発射」したことが明らかになった。海上保安庁によると、「日本海の、日本の排他的経済水域の外に落下した」もようだという。その後、安倍首相から「ミサイル発射を強く非難する」といったコメントが聞かれるも、具体的な行動などはなし。反面、朝鮮中央通信は本日早朝になり「北朝鮮が超大型ロケット砲の連射実験を行い成功した」と報じていた。
対して後者は、チリがAPECの開催断念を発表したことによる米中通商協議の合意・署名に影響を及ぼす可能性が懸念されるなか、ブルームバーグが「中国、トランプ米政権との長期の貿易合意到達を疑問視している」などと指摘。市場では、警戒感がさらに高まるとドルの弱材料になった。ただ、トランプ米大統領が「署名を行うための新たな場所を選んでいるところだ。新たな開催地が近く公表されるだろう」と発言するなど、火消しに動いたこともあり、大事には至らなかった。

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10月30日にドルは109.28円を示現し、8月高値に面合わせするも続かず。そして翌日には107円台まで1円を超える下落をたどる結果となった。過去半月ほど形成していたレンジの上限を一時上抜けたものの、今度は同下限を割り込むという、なかなか激しい値動きだ。次の動きは、このあと発表される米雇用統計など米経済指標次第といったこともあるが、リスクという意味ではレンジの上抜けを失敗した感を否めず、再び下方向にバイアスが掛かってきたのかもしれない。

材料的に見た場合、「米貿易問題」、「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」、「トルコ・シリア情勢」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」−−など注目要因は多い。いずれも要注意だが、目先とくに注意すべきは「米中情勢」と「米ファンダメンタルズ」か。前者がこれまでの「合意期待」という楽観論一辺倒からややネガティブな印象へと色合いを変えるなか、後者に注意を払いたい。昨日も、トランプ米大統領が「ドイツや日本などよりも低金利であるべき」などと指摘。FRBに利下げ圧力を掛けていただけに、それを後押しするような米ファンダメンタルズの悪化が示されるようだと、さらなるドル売りが進展する可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドルはザラ場ベースで8月高値、クローズベースでは移動平均の200日線が抵抗になった。その反面、下値については21日と23日、直近だけで2度下げ止まった108.25円レベルを下回っただけでなく、移動平均の25日線が位置する108.15円前後も割り込んでの推移となっている。一転して、ドルの下値不安が指摘され始めたようだ。同じ移動平均でいえば、75日線あるいは90日線などが位置する107円半ばに向けてドルの続落を懸念する声も少なくない。

一方、材料的に見た場合、10月の雇用統計や同ISM製造業景況指数といった米経済指標が発表される予定となっている。
先週来、発表される米経済指標は総じて悪い内容のものが多く、実際昨日発表されたシカゴ購買部協会景気指数も予想を下回ったが、その前日に発表されたADP雇用統計は逆に予想を上回っていた。動静は読みにくい。なお、市場でもっとも注視されている非農業部門雇用者数は前月比悪化のプラス8.5万人程度が予想されており、マーケットの影響としては、好数字が出た場合の方がインパクトは大きいとの指摘も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、107.40-108.60円。ドル高・円安方向は、ごく目先的には昨日下回ってきた25日線や、これまでのサポートである108.25円レベルとなどが逆に抵抗に。それらをしっかり超えれば、109円近くまでのドル続伸も。
対するドル安・円高方向は、本日東京で記録した107.85-90円が最初のサポート。割り込んだ場合には107円半ば、さらには10月安値の106円半ばがターゲットに。

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