<< 東京市場の動き >>
31日の東京市場は、揉み合い。108円後半を中心にしたレンジ取引で、次の方向性を探る値動きに終始している。
ドル/円は108.75-80円で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。一時108.55-60円まで小緩む局面も観測されたが、底割れする展開は回避されている。
公職選挙法違反が取り沙汰されていた河井法相の辞任が発表されたうえ、一部で注目されていた日銀会合の結果として「政策金利は現状維持」、「フォワードガイダンスの文言を一段の緩和強化示唆の方向へと修正」と公表されたものの、ともに為替市場への影響はそれほど大きなものとならなかった。16時時点では寄り付きレベルに近い108.70-75円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中通商協議」と「米金融政策」について。
前者は、中国外務省が米中通商交渉について、「近いうちにハイレベルでの協議を再開する」との考えを示し、これはドルの支援要因に。しかし、抗議デモなどに揺れるチリがAPECの開催断念を発表したことが、米中通商協議の合意・署名に影響を及ぼす可能性として取り沙汰されると、こちらは逆にドルの足かせとなっていた。ただ、米ホワイトハウスは「第1段階の米中通商合意文書への署名が来月行われると引き続き想定」などと発表、疑念払拭に動いていたようだ。
対して後者は、今週最大の注目要因と言ってもよいFOMCで政策金利の25bp引き下げが実施されたが、これは事前の予想通り。その後、FRB議長が記者会見で「現在の金融政策は適切であり続ける公算が高い」と発言、追加利下げ観測が後退したとの見方が一時強まっている。ただ、市場では中立スタンスに戻っただけで、今後の指標次第では再び利下げに動く可能性を見込む向きも少なくない。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日NY時間にドルは一時109.28円まで上昇。8月1日高値の109.32円に面合わせをしたが、抜けることは出来ずにそののち108円台へと押し戻されている。本日東京時間も108円後半を中心とした展開。形成していたレンジを超えてきたと言うことからすれば、依然として上方向にバイアスがかかりそうだが、昨日上抜けが失敗した感もあり、目先は再び108円台での揉み合いか。明日の米雇用統計待ち、といった展開になる可能性もある。
材料的に見た場合、「米貿易問題」、「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」、「トルコ・シリア情勢」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」−−などと注目要因は多い。いずれも要注意だが、目先とくに注意すべきは「米中情勢」と「米ファンダメンタルズ」か。また、本日は10月最終日ということでの駆け込み的な需給要因、そして月替わりとなる明日に向けた需給要因の変化を警戒する声も聞かれていた。
テクニカルに見た場合、再び109円台を回復し、109.05-10円に位置する移動平均の200日線も一時越えたが、NYクローズでは押し戻されている。「しっかり超えた」とは言えない状況で、200日線は引き続きドルの抵抗として意識されそうだ。
対するドルのサポートは、21日と23日、直近だけで2度下げ止まった108.25円レベル。その少し下には移動平均の25日線も位置するなど、かなり強いサポートとなるかもしれない。
一方、本日は9月のPCEデフレーターや10月のシカゴ購買部協会景気指数といった米経済指標が発表される予定となっている。
先週来、発表される米経済指標は総じて悪い内容のものが多かったが、昨日発表された米GDPならびに、ADP雇用統計はともに予想値を上回っていた。その後FOMCのよる政策金利発表が予定されていたことから、影響は限られたが、本来であればドルの買い要因だろう。本日の指標も好数字を維持するのか、発表される米経済指標には注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.30-109.20円。ドル高・円安方向は、ザラ場ベースでは越えたものの、NYクローズでは届かなかった移動平均の200日線も位置する109.05-10円の攻防に引き続き注目。抜ければ、8月高値109.32円を今一度チャンレンジする展開もありそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京で記録した108.55-60円が最初のサポート。割り込んだ場合には108.25円レベルがターゲットに。
オーダー/ポジション状況
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