米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利の結果(2019年10月29日・30日開催分)

10月29日・30日開催されたFOMCのステートメントが公表されました。

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利の結果(2019年10月29日・30日開催分)

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利の結果

10月29日・30日開催されたFOMCのステートメントが公表されました。今回のFOMCでも25ベーシスの利下げを実施し、3連続の利下げとなりました。
以下は要旨の和訳となっています。

FOMCステートメント

9月のFOMC会合以降に入手した情報では、労働市場は依然強く、経済活動は緩やかに上昇している。平均的に見て、ここ数ヶ月の雇用は堅調であり、失業率は依然低い。家計消費は強いペースで上昇しているけれども、企業の固定投資や輸出は弱いままである。12ヶ月ベースでみて、全般的なインフレや食料・エネルギー除くインフレは2%を下回って推移した。市場ベースで調査しているインフレ(原文inflation compensation:FRBはブレーク・イーブンインフレの意味で使っています)は依然低く、長期インフレ期待の調査でもほとんど変わらなかった。

FRBに与えられた法定任務に関し、委員会は最大雇用を促進し物価安定を目指している。抑えられたインフレ圧力と同様に経済見通しに対する世界の進展具合に照らし、委員会はFFレートの目標レンジを1.50〜1.75%に引き下げを決定した。これにより、委員会が予想している経済活動の持続的拡大、強い雇用市場、そして委員会が目標としている2%に近い結果がもたらされる可能性が高い。
しかし、この見通しに関する不確実性は残っている。委員会は今後入手する経済見通しに対する情報を精査し、目標とするFFレートの適切な道のりを査定していくことになる。

FFレートの目標レンジに対する将来の調整について、変更のタイミングや規模を決定するには、最大雇用と2%のインフレ目標に関連し、経済の現況や将来について査定していくことになる。この査定は労働市場の調査、インフレ圧力やインフレ期待、あるいは金融や国際情勢の進展を含め、幅広い情報を考慮していくことになる。

今回の決定に賛成者:パウエル、ウィリアムズ、ボウマン、ブレイナード、ブラード、クラリダ、エバンス、そしてクォールズ。
決定に対する反対者:エスター・ジョージとローゼングレンの2名はFFレートの目標値を1.75〜2.00%の現状維持を選好した。

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)


尚、パウエルFRB議長の記者会見では金融政策は良好な状況にあると考え、現行の政策スタンスは適切であると話しており、先々の利下げや利上げは今後の経済指標次第であり、重大な再評価を要する場合であるとしています。

ドル円相場はFOMC前に108円85銭〜90銭で推移していましたが、将来の利下げは経済状況次第との内容に109円29銭のドル高値を瞬間付けました。しかしながら米10年債金利軟化で108円72銭まで直ぐに反落し108円85銭付近でNYは引けました。
現在のドル円は107円80銭〜109円35銭のアセンディングトライアングルの収斂を続けています。もし107円50銭未満で終われば、ここまでの短期ドル上げが終了します。因みに下限までの間、108円40銭、108円00銭〜10銭にサポートがあります。
一方、109円50銭越えで終わればドル一段高狙いとなり、110円10銭〜20銭、111円30銭〜40銭に強い抵抗線が控えています。
ECBからBOJまでの金融政策が終わったので、暫く米国経済指標を睨みながらの展開が予想され、この間に米中貿易交渉の行方やそれに関するトランプ大統領発言などが突発材料になりそうです。
(2019年10月31日13:40、1ドル=108円65銭)

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