<< 東京市場の動き >>
17日の東京市場は、揉み合い。108円後半、20ポイント程度のレンジ取引で目立った方向性はうかがえなかった。
ドル/円は108.70-75円で寄り付いたものの、終日を通して積極的な動意に欠ける。新規材料が乏しいうえ、注視されていた日米株価の動きもいまひとつ冴えず、材料視しにくかった。108.65-85円といったレンジで横這いに近い値動きをたどるなか、16時時点では108.75-80円で推移、欧米時間を迎えていた。
そうしたなか、ポンドが対円やドルで荒れ模様。終盤にかけて大きく売られると、対円では139円半ばから138.60円台まで、一時1円近い下落を記録している。
材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米中貿易問題」について。
前者は、引き続き材料が交錯し、金融市場も一喜一憂する展開となった。まずはロイターが「英国とEUは英離脱をめぐる交渉で暫定的な合意に近づいた」と報道。またEU大統領から「英離脱合意の準備が整った」との発言や、EU首席交渉官が加盟各国に対し「付加価値税(VAT)の取り扱い以外の課題はすべて英国と合意したと説明した」との報道も観測され、期待感が先行する局面も。しかし、英与党・保守党に閣外協力する北アイルランドの民主統一党が、「税関などに関する現在の提案を支持できない」という見解を示したことで流れが一変、東京終盤にポンドが大きく売られた主因になっていたという。
対して後者は、先週末に部分合意をした「米中貿易問題」の先行きが不透明になりつつある。たとえば、トランプ米大統領が「来月のAPECで米中首脳会談を実施し合意文書に署名したい」との意向を示すも、米財務長官は「中国との通商合意、文書化でまだやるべきことがある」と慎重姿勢を強調していた。なお、それらとは別に、米財務長官は7日に正式署名された日米貿易協定について、「意図的な通貨安誘導を防ぐ為替条項は盛り込まれていない」と記者団に述べている。
<< 欧米市場の見通し >>
「米中貿易問題」は、当初見られたポジティブな期待感がすっかり後退した感を否めないが、いわゆる「ちゃぶ台返し」、合意破棄などといった事態になったわけではないことで、ドル売り要因として認識されるまでは至っていない。ドル/円は単体で見た場合、やや動きにくく目先はレンジ取引か。それよりむしろ、市場の関心が高いのはポンドの動き。実際、ここ数日はかなり荒っぽい乱高下が続いている。本日も不安定な上下動が続く可能性は高いだろう。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン・サウジ情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」のほか「トランプ氏のウクライナ疑惑」、そして「トルコ情勢」など百花繚乱の様相。それぞれ気になるところはあるものの、引き続き「英国情勢」と貿易問題を中心とした「米中関係」の2つにとくに注意を払いたい。なお「英国情勢」、英のEU問題につていては、17-18日に実施されるEU首脳会議で承認される可能性もあるなどと指摘されているが、今度は「承認後の英議会支持取りまとめが難航している」との報道もみられるなど、一難去ってまた一難。いまだ予断は許さない。
テクニカルに見た場合、直近安値から2週間で2円を超える上昇をたどるなか、ポジションの偏りも観測され、足もとは価格ではなく時間的な調整局面入りした感を否めない。実際、15日に108.90円の戻り高値を示現後は、108.56-90円というレンジ取引をたどっている。40ポイントにも満たないレンジはさすがに狭すぎることもあり、まずは足もとのボックスを上下どちらに放れるのかを注視したい。仮に下抜けすれば、いま一段の深押しも。
一方で、10月のフィラデルフィア連銀景況指数や9月の鉱工業生産といった米経済指標が発表される予定となっている。あまり話題にならなかったが、昨日発表された小売売上高が予想を下回る内容となっていただけに、本日発表も指標も悪数字となればドル売り要因となりかねない。
また、ボウマンFRB理事やウィリアムズNY連銀総裁による講演が実施される予定となっているほか、モルガン・スタンレーなど米大手金融による決算発表も実施される見込みだ。併せて注意しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.20-109.10円。ドル高・円安方向は、15日高値108.90円が最初の抵抗。上抜ければ、移動平均の200日線なども位置する109円前後、そして109.32円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値108.56円をめぐる攻防が注視されている。割り込んだ場合には108.15円レベルや108円前後などが意識されそうだが、いずれにしても底堅いイメージは変わらない。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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