米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)
昨日(16日)、FRBからベージュブックが公表されました。以下はその内容になっています。地区連銀は12地区で構成されており、報告内容期間は10月7日以前までとなっています。
(全般的な経済活動)
米国経済は国内のあらゆる地域からの企業活動報告からみて、非常に緩やかなペースで、少しばかり拡大した。米国南西部の州からの報告では、中西部やロッキー山脈東方からミシシッピ川までの大平原地区の報告よりは上向きだった。家計支出は概ね堅調で、自動車以外の小売は緩やかに増加した。ただ軽自動車販売は底固かった。観光・旅行業関連の支出は緩やかに伸びた。住宅市場は変わらなかった。
企業の支出は、非居住者用建設がまだ弱いものの、幾分伸びた。一方で、リース業は緩やかだが堅実なペースで伸びた。製造業活動はジリ安が続いている。幾つかの地域では、絶え間ない貿易の緊張や世界成長の低下が活動に影響を与えていると示唆している。最近の自動車関係のストライキによる初期の影響は限定的だった。貨物輸送は前回の報告でされた下落基調後は安定している。多くの地区の銀行はローン残高が緩やかに増加したと報告している。一方、非金融サービスの活動は堅調に増加した。農業の状況はより悪化している。悪天候の状況が続き、弱い商品価格、そして貿易紛争の影響による。企業関係はまだ経済拡大が続くことを予想させる。しかしながら、多くの人は今後6ヶ月〜12ヶ月先の成長見通しは下げている。
(雇用と賃金)
全般的に、雇用は幾分伸びた。これは労働市場の絶え間なく続く労働力不足による。熟練レベル労働力のタイトさや職種が雇用を抑制する要因として挙げられている。地区報告によれば、しばしばプロの技術をもった労働者やIT関連労働者への強い需要がある。対照的に船荷関係や製造業の雇用は弱い。幾つかの地区は製造業の頭数が減ってきたと報告している。というのは注文が減っているからである。しかしながら、幾つかの企業はより長期間に亘る雇用労働者について関心を高めている。賃金は多くの地区で上昇した。これは、小売やサービス業での低熟練労働者に対してや、高熟練労働者や技術を有している者に対しても上昇圧力を伴っている。
幾つかの小企業はより大きな企業から出された値段に見合う支払が困難になってきたと報告している。雇用は通常の賃金支払いとは違うアプローチが続いている。例えば、ボーナスやその才能を維持するために魅力ある福利厚生などである。
(物価)
大多数の地区で、最近の物価上昇ペースが緩やかであるとしている。小売や製造業の両方共に仕入コストは上がった。新しい価格表に準じるアイテムもある。しかし、小売業者はコスト上昇分を顧客に付け替える成功例が多くなってきた。最近の燃料コスト上昇にも関わらず、幾つかの報告書では、船賃は今年初めよりも低い水準になっている。これは当該産業で過剰余力が残っているためである。
(以下、地区毎の詳細は略)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)
内容的には前回9月初旬のベージュブックと比べ、成長の伸びが一段と緩やかになっているとしています。製造業や農業の下方圧力は前回と変わっていません。また半年から1年先までの成長は鈍化予想になっています。一方で物価は緩やかに上昇している模様です。
さて、ベージュブック後のCME FedWatchを比較してみます。
10月7日から僅か9日にしか経過していませんが、パウエル議長講演やFOMC議事要旨後に米国経済は堅調との見方で利下げ予想が減りましたが、昨日のベージュブック後には再び利下げ予想派が増えています。(現在の水準は1.75-2.0%、10/7時点では10/30の利下げ確率は71.1%だったものが10/16には87.1%に増加している)
今週初まで10年債金利は1.77%付近まで反騰しましたが、昨日は小幅軟化しています。30日のFOMCまでに一段と利下げ圧力が強まれば、為替にも影響が出てきそうです。
(2019年10月17日15:15、1ドル=108円77銭、1ユーロ=1.1073ドル)
オーダー/ポジション状況
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