ドルは107円割れ試すも失敗、結局レンジか(10/3夕)

3日の東京市場は、結果「行って来い」。一時107円を割り込む局面も観測されたが、買い戻されると終盤掛けて逆行高となり、107.25-30円までドルは上昇している。

ドルは107円割れ試すも失敗、結局レンジか(10/3夕)

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3日の東京市場は、結果「行って来い」。一時107円を割り込む局面も観測されたが、買い戻されると終盤掛けて逆行高となり、107.25-30円までドルは上昇している。

ドル円相場は107.15円前後で寄り付いたのち、ややドル売り優勢。日経平均株価の下げ幅が一時500円を超えたことなどが嫌気されていた。107円を割り込み106.95円レベル、9月24日の前回安値に面合わせしたものの抜けられず。その後は株価が下げ渋ったこともあり、ドルもジリジリと買い戻されると107円台を回復。16時時点では、寄り付きレベルを超えた107.25-30円で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「トランプ氏のウクライナ疑惑」について。
前者については、一昨日に「2日にEU離脱に関する最終的な提案を行う」と発言していたジョンソン英首相が与党保守党の党大会で演説し、「双方が妥協できる建設的かつ妥当な提案を提示する」と指摘。詳細には踏み込まず、モヤモヤ感の残る結果となるなか、ジョンソン氏からは続けて「何が起ころうと、英国は今月末にEUから離脱する」とする威勢の良い発言が観測されていた。そうしたなか、英首相官邸が「ジョンソン氏は8-14日の議会閉会を求める意向」と発表、また英紙FTは「ジャビド英財務相の予算発表が10月31日よりもあとに延期される見通し」などと報じている。

そして後者は、議会下院の監視・政府改革委員会が「ホワイトハウスに関連文書の提出を強制する召喚状を4日に出すと発表」したことに続き、米下院の3委員会の委員長が、ポンペオ国務長官に対して「トランプ大統領の弾劾調査を妨害しないよう書簡で警告した」と報じられていた。野党民主党ペースで着々と動きが進展するなか、共同通信では「トランプ氏、イライラが爆発」と指摘したうえで、「弾劾調査にトランプ氏が大きな打撃を受けていることをうかがわせた」と報じている。

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1日には一時108.47円まで上昇し直近高値に面合わせするも、その後ドルは急落。その流れを継ぐ格好で、本日東京時間には一時107円を割り込む局面も観測されていた。わずか一日半ほどで1.5円もドルは下落した計算になる。大局的にはレンジ内だが、再びドルの下値リスクが高まりつつある。下値については、9月24日と本日、少なくとも2度ドルが下げ止まった106.95円レベルの攻防に注目で、割り込むようだと安値104.44円を起点とした上げ幅の半値押しにあたる106.45円レベルがターゲットとなりそうだ。

材料的に見た場合、継続案件として「北朝鮮情勢」や「イラン・サウジ情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」のほか、新参組である「トランプ氏のウクライナ疑惑」に対する関心も高い。なかでもとくに、「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「ウクライナ疑惑」の動きは気掛かりだが、敢えてひとつだけ取り上げるとすれば、米経済指標の発表や要人発言を踏まえた「米金融政策」に要注意。一昨日のISM指数に続き、昨日発表されたADP雇用統計も冴えない内容となっただけに、同様の指標内容そして要人から弱気発言などが観測されれば再びドル売りが強まっても不思議はないかもしれない。

テクニカルに見た場合、ドルの上値トライが失敗したことに続き、今度は下値を試すも、こちらも取り敢えずは抜け切れず。下抜けに失敗したと断言するにはまだ早いが、過去3週間ほど推移する107.00-108.50円というレンジからの脱却はできていない。若干、下方向のリスクが高い気するが、目先は前述した1.5円レンジからの脱却、どちらの方向に抜けていくのか、その方向性が注視されている。
上方向にブレークした場合には移動平均の200日線(109.10-15円)がターゲットとなる反面、下抜けした際には106円半ばを目指す展開となりそうだ。

一方、材料的に見た場合、8月の耐久財受注や9月のISM非製造業総合指数といった米経済指標が発表される予定となっている。ここ2日間、連日で悪化した指標が発表されているだけに、市場の警戒感も強い。本日も、指標内容には要注意だろう。
また、クォ―ルズFRB副議長の講演をはじめ、米通貨当局者による発言機会も多く、そのコメントを注視している向きも多いようだ。今後の利下げ時期や残りの利下げ幅などに対し弱気の発言となれば、ドル売りで反応する可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.70-107.80円。ドル高・円安方向は、昨日のNYクローズでも下回ってきた移動平均の25日線(107.40-45円)が最初の抵抗。超えれば昨日高値107.89円、そして108円レベルなどとなる。
対するドル安・円高方向は、本日もドルが下げ止まった106.95円レベルの攻防にまずは注視。下回ると、フィボナッチの観点で次のサポートとなる106円半ばがターゲットに。

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