アメリカの8月貿易収支の予想
(今回予想:2019年10月3日12:00現在)
明日21時半に米国の8月貿易収支が発表されます。9月は米中貿易交渉の楽観論が漂いましたが、事務レベルの交渉が10月初旬から予定されており、先々は予断を許しません。
7月までの推移と今回予想値(発表値は黄色の折れ線で、今回分は○印)
灰色の折れ線:モノの貿易収支、黄色の折れ線:財とサービスの収支(通常発表分)
青の棒グラフ:対中国、オレンジ:対日、
上のチャートは米国の貿易収支ですが、2019年になっても赤字額があまり変わりません。しかしながら、対中の貿易赤字(青の棒グラフ)は毎年5月から秋に向けて拡大傾向(中国は黒字拡大:青の矢印)を示していますが、2019年は赤字額が横這いになっています。もう少し傾向を見る必要がありますが、米国の赤字自体があまり減っていない様ですので、中国からの輸入品を他国が代替している可能性が思い浮かびます。
一方、中国の8月までの貿易収支推移です。6月(509億8000万ドル)を黒字のピークにして7月(450億6000万ドル)・8月(348億4000万ドル)と明らかに黒字額が減少しています。対米黒字も8月269億5000万ドル、7月が279億7000万ドルでしたので10億ドルの減少になっています。貿易全体が102億ドルの黒字減少ですから、中国自体の経済悪化も想定されます。
ドル円相場は短期ドル高トレンドを昨日下方にブレークして、中期のドル安トレンドに入り込んでいます。目先は106円90銭〜107円にあるサポートで止められていますが、106円40銭〜50銭、106円方向を狙える位置にいます。
上値は今年4月高値を起点とした抵抗線が108円40銭にあります。この手前の107円40銭、107円80銭〜90銭に抵抗線が控えていますが、108円40銭はかなり強くなっています。仮にここを越えたとしても109円30銭〜40銭、110円10銭、110円80銭〜90銭に強い抵抗線が控えており、中期のドル安トレンドを変えるにはかなり難しい状況にいます。
明日は恒例の米雇用統計の発表が、この貿易収支と同時刻に予定されています。指標の重要度としては雇用統計が先行しますが、発表された数値が雇用統計・貿易収支共に同じ方向となった場合には相乗効果が出てくる可能性高くなりそうです。特に両方共にドル売り材料化した場合は要注意になります。
(10月3日15:00、1ドル=107円14銭)
オーダー/ポジション状況
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