ドル円 ドル高トライは仕切り直し、米経済指標注視(10/2夕)

過去3週間ほど推移する107.00-108.50円というレンジ取引、107円台を中心とした一進一退をたどる可能性もある.

ドル円 ドル高トライは仕切り直し、米経済指標注視(10/2夕)

<< 東京市場の動き >>

2日の東京市場は、ドルが底堅い。前日NYで急落した際の安値(107.60-65円)は辛うじて維持したが、すでに上値も重く108円には届かなかった。

ドル/円相場は107.70-75円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。107.65-75円といった膠着相場をたどったのち、レンジを上抜け。しかし、ドルの高値は107.90円程度までで108円には達しなかった。前日のNYダウ大幅安に続き、日経平均株価も3ケタ台の下げとなったことがドル買いの足かせになっていたようだ。16時時点では107.75-80円で推移、欧米時間を迎えている。

なお、そうしたなか韓国ウォンが一段安。ドル/ウォンは、過去1週間ほど抵抗になっていた1204ウォン水準に越え、1206ウォン台まで一時上昇してきた。8月高値1225ウォンレベルも視界内に。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「米中貿易協議」について。
前者については、先日、北朝鮮の崔第1外務次官が「米朝非核化協議を4日と5日に行うことで合意」と発表したことでやや気が緩んだところに、本日早朝突然に「北朝鮮が2発の飛翔体を発射」−−とするニュースが伝えられ、一時騒然となった。ちなみに、ミサイルのうち1発は日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したと見られている。

そうしたなか、北朝鮮の労働新聞は論評で「韓国当局は、南北関係の膠着状態が続いていることの責任を我々に転嫁している」とし、韓国を非難していた。

それに対して後者は、FOXニュースが、ナバロ米大統領補佐官が、米中の閣僚級協議について「10日から始まると明らかにした」と報じ、市場には再び協議の進展期待も。また、米紙WSJは「トランプ氏弾劾調査」と絡めて、「トランプ氏にとって、中国との限定的な貿易協定で合意を目指さざるを得なくなる可能性がある」などといった論調を展開、思惑を呼んでいたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日はNY時間に108.47円まで上昇し、9月18日高値と面合わせするも、そののち急反落。発表された同ISM製造業景況指数が予想外の悪化、それも2ヵ月連続の50割れとなったことが大きな失望を誘っていたようだ。

センチメントが再びドル安に転換したというにはまだ早いが、少なくともドルの上値トライは仕切り直しとなったことは間違いない。しばらくは107円台を中心としたレンジ取引で、次の方向性を探る展開が見込まれている。

材料的に見た場合、継続案件として「北朝鮮情勢」や「イラン・サウジ情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」のほか、新参組である「トランプ氏のウクライナ疑惑」に対する関心も高いようだ。「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「ウクライナ疑惑」など目先も材料が目白押しのなか、「中国国慶節」という環境下、発砲事件まで発生した「香港デモ」、そして昨日予想外の数字が発表された「米経済指標」に注意を払いたい。

後者について、本日は週末の米雇用統計と相関性が高いとも言われるADP雇用統計が発表されるだけに、内容が悪化すればさらなるドル売り進展も否定出来ないだろう。

テクニカルに見た場合、昨日記録した108.47円が目先の高値になった感を否めず、若干期待が先行していたドル高シナリオも修正を余儀なくされた。とは言え、下値は下値で目先堅そうだ。このままイケイケドンドンで、107円を割り込みドルの一段安が進行するとも思われない。大雑把にいえば、過去3週間ほど推移する107.00-108.50円というレンジ取引、107円台を中心とした一進一退をたどる可能性もある。

一方、材料的に見た場合、9月のAFP雇用時計という米経済指標が発表される予定となっている。ここ最近発表される米経済指標はトータルすればまちまちなのだが、先でも取り上げたように昨日記録のISM指数の悪数字は衝撃的で、悪化リスクを警戒する向きが市場では増えてきた。本日も、指標内容には要注意だ。

また、昨日ジョンソン英首相が「2日にEU離脱に関する最終的な提案を行う」と発言しているだけに、その内容を注視している向きもある。ポンドの動きも波乱含みか。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.00-108.10円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の107.90円レベルが最初の抵抗。超えれば108円台乗せ、昨日高値の108.47円がターゲットに。

対するドル安・円高方向は、移動平均の25日線が位置する107.40-45円の攻防にまずは注視。いわゆるザラ場の動きだけでなく、NYクローズで維持できるかどうかも注目されている。25日線を下回ると、直近安値を含めた107円レベルが意識されそうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る