<< 東京市場の動き >>
1日の東京市場は、ドルが小高い。値幅そのものは決して大きくなかったが、一時108.30円レベルまで続伸、直近の戻り高値を更新している。
ドル/円相場は108.05円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。108.00-15円といったレンジ取引をたどったのち、上抜けすると、108.30円レベルまで一時値を上げている。ドルは高値を記録後、さすがに上げ渋るも底堅く、強保ち合いに。16時時点では108.20-25円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、そうしたなか豪ドルやNZドルといったオセアニア通貨が荒れ模様。豪中銀による政策金利発表などをめぐり一時的な乱高下も観測されたが、流れとしては緩やかな右肩下がり。たとえば、NZドル/ドルは0.6225-30ドルを示現、年初来安値を更新する局面も。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米中貿易協議」について。
前者は、ジョンソン首相の女性スキャンダルに加え、新たに「痴漢疑惑」が取り沙汰され、政権運営についての火種となる可能性も。それとは別にEU離脱に関しては、一部報道でジョンソン氏が「最終的な離脱計画を24時間以内に公表する」、「EUに対し、離脱の再延期を選択肢から除外するよう要請した」とする2つの報道も観測されており、改めて思惑を呼んでいた。
それに対して後者は、中国外務省の耿副報道局長から改めて「米の投資規制に警告」の発言が聞かれたことに続き、ナバロ米大統領補佐官も「中国株の上場廃止検討報道はフェイクニュース」と否定のコメントを発している。ただ、その一方で英紙FTは「中国ファーウェイの米研究開発子会社が一部の米国企業から取引を打ち切られたことが明らかになった」と指摘するなど、まだまだ紆余曲折ありそうな気配が濃厚だ。
<< 欧米市場の見通し >>
「米中情勢」や「トランプ氏のウクライナ疑惑」を市場は楽観的に捉えているのか、ドルの堅調推移が続いている。大きく値を上げているわけではないが、ドル/円は本日108.30円レベルを示現し、直近の戻り高値を更新してきた。テクニカルに見た場合の次の上値メドは9月18日高値の108.48円で、超えれば109円台乗せ、8月1日高値の109.32円がターゲットとなるだろう。
材料的に見た場合、継続案件として「北朝鮮情勢」や「イラン・サウジ情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」などが注目を集めているが、新たに「トランプ氏のウクライナ疑惑」が加わった。そのいずれもが注視されるなか、本日から始まった「中国国慶節」の影響も気掛かりだろう。ちなみに「祝賀優先で、米国への報復や警告を自粛させる」との見方からリスク選好の円安継続を予想する声も聞かれる反面、「香港デモの激化」や、「反論しにくいタイミングを見計らっての、米国による一方的な中国叩き」などをうけた円買いを警戒する向きも少なくない。
テクニカルに見た場合、ドルはジリジリと連日下値を切り上げる展開をたどっている。上値についても、108.30円レベルをつけ、直近の戻り高値を更新してきた。ドルの続伸には一応要注意。次のターゲットは8月高値の108.48円、そして109円レベルとなる。
対するドルのサポートは、9月24日に目先安値106.96円を示現後、連日前日記録した日中安値を下回らないという展開が続いていることで、昨日安値の107.75円か。しっかり下回ると、移動平均の25日線が位置する107.40円レベルが意識されそうだ。
一方、材料的に見た場合、9月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数といった米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表されたシカゴ購買部協会指数は予想より悪化したものの、ダラス連銀指数は逆に好数字と対照的な結果となっただけに、本日の指標についても市場の関心は非常に高いようだ。指標を受けて、一時的な乱高下も!?
また米国だけでなく、引き続き英国を中心とした欧州ファクターにも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.70-108.70円。ドル高・円安方向は、8月高値108.48円の攻防にまず注視。超えれば109円台乗せが現実のものとして意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、先で指摘した昨日安値107.75円が最初のサポートか。下回れば、25日線が位置する107.40円レベルがターゲットに。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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