ドル円、米ISM製造業景況指数の急低下を背景に高値圏から急反落
1日(火)の外国為替市場でドル円は上昇後に急反落。@前日海外時間にナバロ米大統領補佐官が「米政権が中国株の米ニューヨーク証券取引所への上場廃止を検討している」との報道に否定的な見解を示したことや、A日本時間朝方に発表された日銀短観(大企業製造業DI:結果5、予想1)が市場予想を上回ったこと等が、株高・円売りのリスク選好ムードをもたらし、ドル円は欧州時間朝方にかけて、一時108.46まで上値を伸ばしました。
しかし、FOMC後に記録した高値108.48を前に伸び悩むと、B米・9月ISM製造業景況指数(結果47.8、予想50.1)が10年ぶり低水準に落ち込んだことや、Cトランプ米大統領が「ドルは強すぎる。FRBの金利は高すぎる」とツイートしたこと、D上記Bを受けて、米株急落(米ダウ平均は一時346ドル安)・米長期金利急低下(米10年債利回りは1.753%から1.618%まで▲13.5bp急低下)の流れが強まったこと等が重石となり、ドル円は米国時間午後にかけて107.63まで急落しました。引けにかけて持ち直すも上値は重く、結局107.75近辺でのクローズとなっております。
一方、ユーロドルは安値更新後に急反発。欧州時間序盤にかけて、2017年5月以来、約2年5カ月ぶり安値1.0879を記録するも、同水準で下げ渋ると、@冴えない米・9月ISM製造業景況指数や、A米長期金利の急低下を受けたドル売りが支援材料となり、米国時間午後にかけて急反発。一時1.0943まで上値を伸ばしました。引けにかけて小反落するも下値も堅く、1.0935近辺でのクローズとなっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は一時約2週間ぶり高値圏まで上昇するも、冴えない米・ISM製造業景況指数を受けて反落に転じました。テクニカル的には、9/27高値108.19や、レジスタンスライン108.27(8/1高値109.33と9/18高値108.48を結んだ抵抗線)を突破するも、最後の関門(FOMC後に記録した9/18高値108.48)で続伸を阻まれた格好です。もっとも、一目均衡表転換線(107.72)、ボリンジャーミッドバンド(107.67)、90日移動平均線(107.57)付近を下抜けるには至っておらず、下値の堅さも確認されます。同水準を割り込むことが出来るか否かが本日のポイントとなるでしょう。
ファンダメタンルズ的には、@米中の先行き不透明感に加えて、A中国の大型連休(国慶節)中の香港デモ激化の恐れ、Bトランプ米大統領・弾劾リスク、C英国情勢の不安定化、D欧米を含む世界同時景気後退懸念など不安材料は山積みです。昨日発表された米・ISM製造業景況指数が2カ月連続で分岐点50を割り込んだことで、市場の関心が、先週までの「欧州ファンダメンタルズに対する総悲観」から、「米国ファンダメンタルズに対する総悲観」に移る可能性が出てきました。本日日本時間21:15に発表される米・9月ADP雇用統計が冴えない結果となれば、週末の米雇用統計に対する悲観的な見方が強まり、ドル円が107.50-107.70ゾーンに控えるサポート水準を下抜ける可能性も考えられます。本日はドル円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。(本日の予想レンジ:107.00ー108.00)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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