豪州中銀政策金利要旨(2019年10月1日公表)

2019年10月1日公表分です。

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 豪州中銀政策金利要旨(2019年10月1日公表)

豪州中銀政策金利議事要旨

豪州中銀は0.25%の利下げを実施し、キャッシュレートを0.75%としました。エコノミストの予想通りの利下げになりました。

以下は豪州中銀の金融政策の議事要旨です。

(議事要旨)
本日の会合で、委員会はキャッシュレートを25ベーシス下げ、0.75%に決定した。

世界経済の見通しは依然として程よいところにいる。リスクは下方に傾いている。米中の貿易・テクノロジー論争は、不確実性の増大により、国際貿易の流れや企業投資の縮小計画に影響を与えている。
同時に、大多数の先進国において、失業率は低く、賃金の伸びは上昇している。しかしインフレは依然低い。中国では、当局が一段の経済下支え策を講じている。一方で、金融システムのリスクについても言及している。

金利は世界中で非常に低く、一段の緩和策が幅広く予想されている。これは各国中銀がしつこい位の世界経済下方リスクや低インフレに対応している。長期国債は、豪州含めて多くの国で歴史的に低水準である。企業や家計の買入れ金利もまた歴史的に低い水準にある。豪ドルはここ最近では最も安い水準にある。

豪州経済は6月末期で年率ベース1.4%拡大した。これは予想以下であった。しかしながら、緩やかなターニングポイントが現れている。それは2018年下半期より今年上半期に関しては成長が少し高くなった。

低水準の金利、最近の減税、インフラへの継続的支出、一部中古住宅市場での安定兆候、資源部門の明るい見通しなどが成長を支えている。国内の主要な不確実性が消費の見通しにあり、これが続いている。消費支出の主要項目である家計可処分所得の本当に緩やかな伸びで支えている。

雇用は引き続き強く、労総参加率は歴史的に高い。しかしながら、失業率はここ数ヶ月5.25%付近で安定している。労働需要の先々を示す指標によれば、雇用の伸びは過去の早いペースから緩やかな伸びに留まると思われる。賃金の伸びは依然低く、目下のところ上昇圧力はほとんどない。賃金の伸びの上限額が国中の公共部門の給与に影響を与えている。

賃金の伸びの緩やかな上昇は今後の進展には歓迎される。これらを勘案すると、豪州経済は低失業率や能力以下の仕事に従事している割合の低下に支えられている。

インフレ圧力は依然低い。この状態はしばらく続くだろう。主要インフレやコアインフレ共に、2020年まで2%を少し下回る水準、2021年に2%を少し上回る水準が予想される。

中古住宅販売の好転の兆候が、特にシドニーやメルボルンで見受けられる。対照的に、新築住宅活動は弱く、住宅貸出の伸びは依然低い。投資家による住宅借入の需要は低い。とりわけ中小企業に見受けられる。住宅金利は歴史的に低く、借入余力の高い人には上昇力がある。

委員会は今日、一段の金利低下の決断をした。これにより雇用や収入の伸びに貢献し、インフレが中期目標に一貫して向かう、より強い確信を与えてくれると思われる。経済は依然として生産余力を有しており、低金利がそれに入り込むのを手助けしてくれるだろう。委員会は世界的低金利に導く力を考慮し、このトレンドが豪州経済やインフレ成果に効果があるだろう。

低金利を更に長く維持することは豪州経済にとり、完全雇用やインフレ目標達成に必要であると予想することは理にかなっている。委員会は労働市場含め今後の進展を監視し、持続的経済成長やインフレ目標値達成を行うために、必要であれば一段の緩和を続けるだろう。
(以上)


(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文(出所:豪州中銀HP)をご参照して頂きますようお願いします。

豪ドル米ドル相場は、金融政策公表前に0.6740〜45米ドルで推移していましたが、予想通りの内容に最初はショートカバーが入り、0.6776米ドルの高値を付けましたが、先々の追加緩和は状況次第ではまだ余地がありとの議事要旨で現在は0.6715〜20米ドルまで売られています。既に0.6440米ドルのサポートは下抜けているので、豪ドル安トレンドライン下限の0.6680〜85米ドル方の流れになっています。


将来的に、豪州経済の成長率からすると、現状では日欧のようなマイナス金利突入の可能性は低いと思われます。従い利下げしても、後1〜2回しか余力が無くなってきています。豪ドルの反発にはまだまだ時間がかかるとは思いますが、次回の利下げ気運が高まってきたり、あるいはGDPが予想を上回る伸びなどを示す兆候がでてきたりしたら、豪ドル反発のシナリオを念頭に置いておく必要が出てきそうです。

(2019年10月1日14時50分、1豪ドル=0.6714米ドル)

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