<< 東京市場の動き >>
26日の東京市場は、揉み合い。107円後半の非常に狭いレンジ取引で、方向性はほぼうかがえなかった。
ドル円相場は107.70-75円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠けた。日米株価や金利の動きなどを注視しつつ、ほぼ横這い推移。107.60-80円といった20ポイントにも足らない凪相場となっている。16時時点では107.60-65円前後で推移、欧米時間を迎えている。
本日は、ドル円以外でも総じて動意が乏しいなか、ランドが対円などで小安い。一時7.12円レベルまで下落する局面も観測されている。
一方、材料的に注視されていたものは、「英情勢」と「日米貿易協議」について。
前者は、前日に「ジョンソン首相による議会閉会は違法」とする最高裁判決を受けて、英議会が早速再開したが、その席で与野党が改めてバチバチやり合う格好に。ジョンソン氏からは最高裁批判に加え、野党に総選挙を迫る発言が観測された反面、野党サイドからは「ジョンソン首相の辞任を要求」する趣旨のコメントなどが聞かれていた。
それに対して後者は、直前まで紆余曲折があり、「自動車は今回の合意に含まれない」(USTR代表)などという当初見込まれていた完全決着からはほど遠い内容ながら、それでも日米首脳から「貿易合意の第一段階」が正式発表されている。日米合意を受け、日米の産業界からは歓迎あるいは評価するコメントが相次いでいた。なお、今回の日米貿易協定は来年1月1日に発効する予定だという。
<< 欧米市場の見通し >>
まだ断定するには早いものの、24日に106.96円を示現し目先の底値を確認したのに続き、そののち記録した107.88円が短期のドル戻り高値となった可能性がある。つまり、大雑把に言ってしばらくは107.00-90円、107円台におけるレンジ取引をたどる展開も考えられる。
材料的に見た場合、継続案件として「北朝鮮情勢」や「イラン・サウジ情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」など注目要因が目白押しの状況のなか、新たに弾劾調査開始という事態にまでなっている「トランプ米大統領への新疑惑」に要注意だ。トランプ氏は疑惑のキモである「ウクライナ大統領との通話記録」の概要を公表したうえで、「民主党が弾劾調査で国を分断している」、「弾劾調査で新NAFTA批准手続きに狂いも」と発言。強く反発しているものの、まだまだ収まる気配はない。「米中貿易協議」の行方や「英国情勢」などとともに、新疑惑についても続報をしっかりと注視したい。
テクニカルに見た場合、先で指摘したように106.96円と107.88円でレンジの上下限を試すも、ともに抜けていくのが失敗した感がある。それからすると、目先は107円台を中心とした一進一退が予想され、次の方向性を探る値動きか。
ちなみに、レンジを上抜けするようだと次の抵抗は108円、あるいは前回高値108.48円などとなり、逆に底割れすれば一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する106.60円レベルがターゲットに。
一方、材料的に見た場合、4-6月期のGDP統計確報や8月の中古住宅販売成約指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による7年債の入札が実施される見込みだ。昨日発表された8月の新築住宅販売件数は予想を上回ったものの、一昨日に発表された米指標はいずれもネガティブサプライズとなっただけに、本日も引き続き予断を許さない。
そのほか、バーキン・リッチモンド連銀総裁による講演をはじめ、通貨当局者の発言機会は本日も多い。昨日はあまり話題にならなかったが、セントルイス連銀のブラード総裁から「FRBは年内に政策金利をさらに0.25%引き下げるべき」との発言も聞かれていた。同様の発言には一応要注意かもしれない。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、107.10-108.10円。ドル高・円安方向は、昨日高値107.88円をめぐる攻防にまず注視。超えれば108円レベル、そして前回高値108.48円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である107.60円前後が最初のサポート。下回れば、移動平均の25日線など複数のテクニカルポイントが位置する107.10-20円が意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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