ドル円、米中協議進展期待で急伸するも108円ちょうどは突破できず
海外時間の為替概況
26日(木)の海外市場でドル円は下落後に急反発。米下院の情報特別委員会が「トランプ米大統領がウクライナに対してバイデン前副大統領に関する調査を依頼した内部告発状」を公表すると、トランプ氏を巡る弾劾リスクが高まり、米株の下落や米長期金利の低下を伴いながら、ドル円は一時107.43まで下げ幅を広げました。しかし、107.50割れでは押し目買い意欲も根強く、下げ渋ると、対欧州通貨(特に対ユーロ)でのドル買いや、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長による「最近の中国の大豆に対するバイアスは貿易交渉に良い前兆」との発言、中国の王毅外相による「中国はよりたくさんの米国製品を購入可能」との発言などが支援材料となり、米国時間午後にかけて107.96まで急伸する展開となりました。もっとも、108円手前では戻り売り意欲も根強く、引けにかけては再び反落。結局107.80前後でのクローズとなっております。
一方、ユーロドルは続落。レーンECB理事による「必要となれば金利を更に引き下げる余地がある」との発言や、ドイツ経済研究所(DIW)による「ドイツ経済の第3四半期のGDPは前期比0.2%減で恐らく景気後退に陥った」との予測が重石となる中、米国時間にかけて、2017年5月以来、約2年4ヶ月ぶり安値1.0911まで急落しました。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、FOMC後に記録した高値108.48をトップに反落に転じるも、106.97をボトムに下げ渋る動きとなりました。一目均衡表雲下限トライ失敗で、再び雲上限を上抜けしたこと、トレンドの方向性を示唆するボリンジャーミッドバンドや、90日移動平均線を突破したことなどを考慮すれば、テクニカル的に見て、FOMC後の調整売りは一巡したと判断できます。しばらくは、レンジ内でもみ合う動きが継続しそうです。
ファンダメンタルズ的には、世界的な景気減速懸念(特に欧州圏)や、トランプ米大統領を巡る弾劾リスクが懸念材料として残っていますが、米中閣僚級協議を見極めたいとの見方も根強く、上下どちらにも動き辛い時間帯が続くと予想されます。トランプ米大統領を巡るヘッドラインや、米国経済指標の結果、米中協議を巡る続報に振らされつつも、本日は、107円台後半で「戻り売り」、107円台半ばで「押し目買い」といったレンジ内での上下を予想いたします。(本日の予想レンジ:107.40ー108.10)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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