<< 東京市場の動き >>
6日の東京市場は、揉み合い。107円を挟んだ20ポイント強のレンジ取引で、明確な方向性は乏しかった。
ドル円相場は106.85-90円でオープンしたものの、NY時間に注目の8月の米雇用統計発表を控えていることもあってか、売買は早くから手控えムード。日経平均株価のほか、NYダウ先物もプラス圏で推移したが上昇幅が限られたこともあり、為替市場への影響は軽微だった。106.85-107.10円といったレンジ取引をたどるなか、16時時点では106.95-00円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、前日同様「米中関係」と「英国情勢」について。
前者については、中国商務省が「閣僚級の通商交渉を10月初旬にワシントンで開催することで米中が合意した」と発表、さらに9月半ばから準備会合を実施すると指摘した。これが市場の協議進展期待を増長させ、ドル高に繋がっていたようだ。ただ、香港情勢、週末に向けてのデモは収束する気配を依然としてみせておらず、米中についての足かせ要因にもなっている様子。
それに対して後者は、英下院からはじまり日本時間7日未明に採決される見通しの「EUからの離脱期限延期を求める法案」の審議が思惑を呼ぶ。そうしたなか、ジョンソン首相は「10月末のEU離脱期日を延期するよりは『野垂れ死に』することを選ぶ」などと圧力をかけたほか、下院で一度否決された前倒し総選挙を9日に再び提案する考えを明らかにしていた。
<< 欧米市場の見通し >>
「米中情勢の好転期待」、「発表された良好な米経済指標」−−などが好感され、昨日のドル円は予想以上の戻りをみせた。ドルは107円の壁を超え、8月2日以来の高値水準を示現している。期待先行で買われ過ぎている感もあるが、それでも107円を超えてきており、リスクという点ではドル高方向にバイアスか。このあとドルが続伸する展開から、昨日高値の107.20-25円、あるいはフィボナッチによるテクニカルポイントにあたる107円半ばの攻防を注視している声も多い。
材料的に見た場合、大きな括りでは「米国ファクター」に含まれる「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「貿易問題」、「金融政策」などが注視されている。そのいずれも要注意だが、足もとにもっとも注意すべきは「米金融政策」だ。とくに本日は注目の8月の米雇用統計が発表されるとあって、如何なる数字となるのか市場の期待感は高い。また、それに続く格好でパウエルFRB議長の講演も実施される見通しで、こちらも警戒されている。いわゆる「ブラックアウト期間」と言われる当局者が発言を控えるタイミングの前、最後のコメントになると見られているため、ことさら注目している向きが多いようだ。いずれにしても、それら材料の前後では荒っぽい変動が予想されている。それだけに、しっかりとしたリスク管理をしておきたい。
テクニカルに見た場合、過去1週間程度のレンジ上限である106.70-80円に続き、107円の壁も突破、ドルはおよそ1ヵ月ぶりの高値圏へと達している。再三再四指摘しているように、昨年来の相場は「レンジを一時的に抜けたものの、気が付くとレンジ内に回帰」するという、ダマシも少なくないが、素直にみればやはりリスクはドル高方向なのだろう。ちなみに、8月1日高値109.32円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しは107.45-50円。次の抵抗として意識されている。
一方、材料的に見た場合、8月の米雇用統計が発表される予定で、それにまずは注目。そのうちでも市場の関心がもっとも高い非農業部門雇用者数は、プラス16万人程度が見込まれている。前月と同程度の数字だが、先行指標とも言われるADP雇用者数の数字が強めだったことから、若干上積みした内容を予想する声も聞かれていた。よって、逆説的に言えば、良い数字よりも悪い数字が出た場合の反応に注意が必要かもしれない。
また、前述したように討論会におけるパウエルFRB議長の講演にも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、106.20-107.50円。ドル高・円安方向は、昨日示現した高値である107.20-25円の攻防にまずは注目。抜ければ107円半ばなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日まで抵抗だった106.70-80円が最初のサポート。本日東京も近いレベルで下げ止まっている。下回ると106.40円レベル、そして106円前後などが意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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