ドル円は一時レンジ上抜けるも結局回帰、ダマシか(9/5夕)

5日の東京市場は、「行って来い」。一時ドル高が進行、106.75円レベルを示現し直近の戻りの高値を付けるも続かなかった。

ドル円は一時レンジ上抜けるも結局回帰、ダマシか(9/5夕)

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5日の東京市場は、「行って来い」。一時ドル高が進行、106.75円レベルを示現し直近の戻りの高値を付けるも続かなかった。

ドル/円相場は106.35-40円でオープンしたのち、しばらくは揉み合い。106.30-45円といったレンジ取引が続くなか、上放れすると一気に日中高値である106.75円レベルまで値を上げた。またもや、「米中貿易協議の進展期待」が市場で台頭、ドル買い・円売りに寄与していたという。しかし、勢いは続かずドルは高値示現ののちじり安推移に。夕方にかけては106.40-45円まで下落すると、16時時点では106.45-50円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、前日同様「米中関係」と「英国情勢」について。
前者のうち、「香港情勢」は香港行政長官が「逃亡犯条例案の撤回」を正式に発表したものの、香港デモ主催団体は声明で抗議活動の継続を示唆するなど、事態の収束は見いだせず。そうしたなか、香港以外、新疆ウイグル自治区などを含めた米国のスタンスについて、中国外務省報道官から、この種の問題へ干渉しないよう求めた発言が聞かれていた。一方メインである貿易問題については、トランプ氏から「中国とファーウェイめぐる協議を望まない」との発言が聞かれた反面、「劉鶴副首相とUSTR代表、米財務長官が電話協議した」、さらに「米中は向こう数週間以内に貿易協議行うことで合意した」との報道も。

それに対して後者は、カーニー中銀総裁から「ポンド急落でも介入しない」との発言、一部メディアから「英与党、党議拘束に違反したハモンド前財務相など造反21人を追放相当処分に」−−といったショッキングな報道が観測されるなか、英議会は総選挙の前倒しを求めるジョンソン首相の提案を否決するとともに、「EUからの合意なき離脱を阻止する法案」が可決されている。

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本日の東京時間にドルが一時上昇、106.75円レベルを示現した際には、いよいよレンジの上放れをするのかと期待したのだが、そののち106.40円台まで押し戻されてきた。まだレンジ放れを指摘するには早かっただけでなく、チャートをみると昨年から今年の相場に多い、「レンジを一時抜けたものの、結果ダマシに終わる」可能性も。ドル高センチメントをハッキリさせるには最低でも107円台超え、できればフィボナッチによるテクニカルポイントにあたる107円半ばを突破したいところだ。


材料的に見た場合、大きな括りでは「米国ファクター」に含まれる「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「貿易問題」、「金融政策」などが注視されている。記述したすべてが要注意だが、足もとでもっとも注意すべきは「米金融政策」で、それと絡めた要人の発言や発表される米経済指標が相場の波乱要因となりかねない。そんななか、本日は週末に発表される米雇用統計の先行指標と目されるADP雇用統計が発表され、その内容を警戒している向きは少なくないようだ。また米国ファクター以外、「英国情勢」を中心とした様々な欧州ファクターにも注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、3日のNYで105.74円まで下落し、レンジの下限を確認した感があるなか、本日東京はドル反騰高を受けて一時106.75円レベルを示現した。これで目先のドル高値ならびに安値、つまりレンジの両サイドを確認した。これが確かだとすれば、105.74-106.75円というおよそ1円レンジで次の方向性を探る値動きが続くこともありそうだ。

一方、材料的に見た場合、8月のADP雇用統計や同ISM非製造業総合指数といった米経済指標が発表される予定となっている。3日に発表された米経済指標がネガティブサプライズとなっただけに、指標が期待を下回る数字となった際にはドル売り・円買いで反応する可能性もあるだろう。
また、米国以外では引き続き英国情勢に注意。ジョンソン首相の思惑と異なる方向に進んでいる感のある英議会だが、ジョンソン氏は「9日から5週間にわたり議会を閉会する計画」を掲げている。残り時間が乏しい状況下、その落としどころに注目だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.90-106.90円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の106.75円レベルの攻防にまずは注目。抜ければ107円などがターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、昨日まで抵抗だった106.40円レベルが最初のサポート。下回ると元の木阿弥、再び106円割れを試しても不思議はないだろう。

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