<< 東京市場の動き >>
5日の東京市場は、「行って来い」。一時ドル高が進行、106.75円レベルを示現し直近の戻りの高値を付けるも続かなかった。
ドル/円相場は106.35-40円でオープンしたのち、しばらくは揉み合い。106.30-45円といったレンジ取引が続くなか、上放れすると一気に日中高値である106.75円レベルまで値を上げた。またもや、「米中貿易協議の進展期待」が市場で台頭、ドル買い・円売りに寄与していたという。しかし、勢いは続かずドルは高値示現ののちじり安推移に。夕方にかけては106.40-45円まで下落すると、16時時点では106.45-50円で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、前日同様「米中関係」と「英国情勢」について。
前者のうち、「香港情勢」は香港行政長官が「逃亡犯条例案の撤回」を正式に発表したものの、香港デモ主催団体は声明で抗議活動の継続を示唆するなど、事態の収束は見いだせず。そうしたなか、香港以外、新疆ウイグル自治区などを含めた米国のスタンスについて、中国外務省報道官から、この種の問題へ干渉しないよう求めた発言が聞かれていた。一方メインである貿易問題については、トランプ氏から「中国とファーウェイめぐる協議を望まない」との発言が聞かれた反面、「劉鶴副首相とUSTR代表、米財務長官が電話協議した」、さらに「米中は向こう数週間以内に貿易協議行うことで合意した」との報道も。
それに対して後者は、カーニー中銀総裁から「ポンド急落でも介入しない」との発言、一部メディアから「英与党、党議拘束に違反したハモンド前財務相など造反21人を追放相当処分に」−−といったショッキングな報道が観測されるなか、英議会は総選挙の前倒しを求めるジョンソン首相の提案を否決するとともに、「EUからの合意なき離脱を阻止する法案」が可決されている。
<< 欧米市場の見通し >>
本日の東京時間にドルが一時上昇、106.75円レベルを示現した際には、いよいよレンジの上放れをするのかと期待したのだが、そののち106.40円台まで押し戻されてきた。まだレンジ放れを指摘するには早かっただけでなく、チャートをみると昨年から今年の相場に多い、「レンジを一時抜けたものの、結果ダマシに終わる」可能性も。ドル高センチメントをハッキリさせるには最低でも107円台超え、できればフィボナッチによるテクニカルポイントにあたる107円半ばを突破したいところだ。
材料的に見た場合、大きな括りでは「米国ファクター」に含まれる「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「貿易問題」、「金融政策」などが注視されている。記述したすべてが要注意だが、足もとでもっとも注意すべきは「米金融政策」で、それと絡めた要人の発言や発表される米経済指標が相場の波乱要因となりかねない。そんななか、本日は週末に発表される米雇用統計の先行指標と目されるADP雇用統計が発表され、その内容を警戒している向きは少なくないようだ。また米国ファクター以外、「英国情勢」を中心とした様々な欧州ファクターにも注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、3日のNYで105.74円まで下落し、レンジの下限を確認した感があるなか、本日東京はドル反騰高を受けて一時106.75円レベルを示現した。これで目先のドル高値ならびに安値、つまりレンジの両サイドを確認した。これが確かだとすれば、105.74-106.75円というおよそ1円レンジで次の方向性を探る値動きが続くこともありそうだ。
一方、材料的に見た場合、8月のADP雇用統計や同ISM非製造業総合指数といった米経済指標が発表される予定となっている。3日に発表された米経済指標がネガティブサプライズとなっただけに、指標が期待を下回る数字となった際にはドル売り・円買いで反応する可能性もあるだろう。
また、米国以外では引き続き英国情勢に注意。ジョンソン首相の思惑と異なる方向に進んでいる感のある英議会だが、ジョンソン氏は「9日から5週間にわたり議会を閉会する計画」を掲げている。残り時間が乏しい状況下、その落としどころに注目だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.90-106.90円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の106.75円レベルの攻防にまずは注目。抜ければ107円などがターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、昨日まで抵抗だった106.40円レベルが最初のサポート。下回ると元の木阿弥、再び106円割れを試しても不思議はないだろう。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2019.09.06
ドル円、約1ヶ月ぶりに107円台を回復。米中通商協議再開合意と米経済指標改善を好感(9/6朝)
5日の外国為替市場でドル円は続伸。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。