ドル円、約1ヶ月ぶりに107円台を回復。米中通商協議再開合意と米経済指標改善を好感
海外時間の為替概況
5日の外国為替市場でドル円は続伸。@米中両国が閣僚級通商協議の再開(10月初旬)を合意したこと、A英下院が「欧州連合からの合意なき離脱を阻止するための離脱延期法案」を賛成多数で可決し、ボリスジョンソン英首相が求める総選挙を否決したこと、B米・8月ADP雇用統計(結果19.5万人、予想14.9万人)や、C米・8月ISM非製造業景況指数(結果56.4、予想54.0)が市場予想を上回る好結果となったこと、D上記@Aを背景に「株高→リスク選好の円売り」の流れが強まったこと、E上記BCを背景に「米経済指標改善→大幅利下げ観測後退→米長期金利上昇→ドル高」の流れが強まったこと(※米10年債利回りは1.472%→1.586%へ急上昇)などが支援材料となり、ドル円は米国時間にかけて8/2以来、約1ヶ月ぶり高値となる107.22まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、結局106.95付近でのクローズとなっております。
ユーロドル相場は上昇後に反落。@英国の合意なき離脱リスクが後退したことや、Aイタリアを巡る政局不安が後退したこと、Bグローバルなリスク選好ムードを背景にユーロ円が急伸した事などが支援材料となり、米国時間朝方には、8/29以来、約1週間ぶり高値となる1.1084まで上昇しました。しかし、Cボリンジャー・ミッドバンド(1.1087)や一目均衡表基準線(1.1089)をバックに戻り売りが強まると、D良好な米経済指標を受けた「米長期金利上昇→ドル高」の流れや、EECB理事会(9/12)での根強い追加緩和観測が重石となり、結局1.1030台まで押し戻されてのクローズとなっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、@トレンドの方向性を示唆するボリンジャー・ミッドバンド(106.19)を上抜けした他、A8/23高値(106.75)や、B一目均衡表基準線(106.89)、C8/13高値(106.98)、D8/9高値(107.08)の突破に成功しました。更には、E8/12安値(105.05)と8/26安値(104.45)を起点とするダブルボトムも完成するなど、テクニカル的に見て「上昇リスク」が意識されます。
ファンダメンタルズ的に見ても、@英国の合意なき離脱リスクの後退や、Aイタリアを巡る政局不透明感の払拭、B香港情勢の好転、C米中閣僚級通商協議の再開合意、D米経済指標の改善など、ポジティブ・サプライズが相次ぎました。本日発表される米・8月雇用統計が市場予想を上回る結果となれば、もう一段の「ショートカバー」も想定されます。クロス円を中心にショートを引きずっている(ロスカット出来ていない)投資家は多いと見られ、本日もリスク選好の「円売り」の流れは続くと予想いたします(本日の予想レンジ:106.25ー107.75)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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