ドル円、植田総裁による「時間的余裕」発言の見送りを受けて急反落。本日は米雇用統計に注目(11/1朝)

ドル円は10/28に記録した高値153.88をトップに反落に転じると、昨日は一時151.93まで急落しました。

ドル円、植田総裁による「時間的余裕」発言の見送りを受けて急反落。本日は米雇用統計に注目(11/1朝)

植田総裁による「時間的余裕」発言の見送りを受けて急反落。本日は米雇用統計に注目

〇ドル円、日銀政策決定会合、総裁記者会見のタカ派的な内容に欧州序盤151.93まで下落
〇売り一巡後は米指標の好調と米金利上昇に、152円台前半を回復
〇ユーロドル1.08台で方向感に欠ける動き
〇ドル円イベント前ポジション調整と日銀タカ派スタンスで反落するも、テクニカルの強さ維持
〇本日は日本時間21:30に予定されている米10月雇用統計に注目集まる
〇昨日来強まっている円買いの動きは早晩賞味期限切れとなる可能性が高いか
〇引き続き、一巡後のドル円反発をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:151.00ー154.00

海外時間のレビュー

31日(木)のドル円相場は冴えない動き。アジア時間朝方にかけて、高値153.59まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)日銀金融政策決定会合のタカ派的な内容(政策金利は0.25%で据え置かれるも、同時に公表された展望レポートで「引き続き政策金利を引き上げ金融緩和の度合いを調整していく」との記載あり)や、(2)植田日銀総裁によるタカ派的な記者会見(市場参加者に注目されていた「時間的余裕」という表現を一度も使用せず)、

(3)上記1、2を背景とした日銀による年内追加利上げ観測再燃、(4)株式市場の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)が重石となり、欧州勢参入後に、安値151.93まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)米新規失業保険申請件数(結果21.6万件、予想23.0万件)の良好な結果や、(6)米9月PCEコアデフレータ(結果+2.7%、予想+2.6%)の市場予想を上回る結果、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間11/1午前2時20分現在)では、152.35前後まで持ち直す動きとなっております。

31日(木)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。アジア時間朝方にかけて、安値1.0844まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)ドイツ9月小売売上高(結果+1.2%、予想▲0.6%)の市場予想を上回る結果や、(2)ユーロ圏10月HICP速報値(結果+2.0%、予想+1.9%)の市場予想を上回る結果、(3)ユーロ圏10月HICPコア速報値(結果+2.7%、予想+2.6%)の市場予想を上回る結果、(4)ユーロ圏9月失業率(結果6.3%、予想6.4%)の良好な結果が支えとなり、米国時間朝方にかけて、高値1.0888まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)欧州株の冴えない動きや、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間11/1午前2時20分現在)では、1.0860前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は10/28に記録した高値153.88をトップに反落に転じると、昨日は一時151.93まで急落しました。重要イベント(米雇用統計や米大統領選など)を控えたポジション調整(ドル円ロング勢の利食い売り)と、植田日銀総裁によるタカ派的な発言(同氏は会合後の記者会見で「時間的余裕」という表現を使用せず→海外勢を中心にタカ派的と解釈→年内追加利上げ観測再燃→円買い)が組み合わさったことがドル円下落の背景と考えられます。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいることや、強い買いシグナルを示唆する「短期線と中期線のゴールデンクロス」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは崩れていない(足元の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目局面)と判断できます。

こうした中、本日は日本時間21:30に予定されている米10月雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率、平均時給)に注目が集まります。直近で発表された米ADP雇用統計や米新規失業保険申請件数が良好な結果を示したこと等に鑑みれば、本日の米雇用統計は総じて強い内容となることが予想されるため、同指標発表後は米経済のソフトランディング期待再燃→米FRBによる利下げ観測後退→米金利上昇→米ドル買いの経路で、ドル円に強い上昇圧力が加わるシナリオが想定されます。日銀による追加利上げ観測がドル円の上値を抑制する恐れがあるものの、政局不透明感が漂っている状況下で株価急落を招く恐れのある追加利上げに踏み切ることは現実的に難しいと見られるため、昨日来強まっている円買いの動き(タカ派な植田日銀総裁記者会見を受けた円買い圧力)は早晩賞味期限切れとなる可能性が高いと考えられます。

以上を踏まえ、当方では引き続き、一巡後のドル円反発をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米雇用統計以外にも、米10月製造業PMIや、米10月ISM製造業景況指数などの重要イベントが予定されております。

本日の予想レンジ:151.00ー154.00

注:ポイント要約は編集部

植田総裁による「時間的余裕」発言の見送りを受けて急反落。本日は米雇用統計に注目

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る