一転してドル下値リスク拡大、続落にも注意
〇本日のドル円、153.60を日中高値に上値切り下げ、日銀会合・総裁会見後に152.05レベルへ下落
〇日銀会合、金利は据え置きだが、先々の金利引き上げを強く意識させる内容
〇テクニカルには、ドル続落の場合は151円半ばの200日移動平均線を目指すか
〇本日は米9月PCEデフレーター、新規失業保険申請件数に注目
〇ドル高・円安方向、これまでサポートだった152.80-90が抵抗に
〇ドル安・円高方向、本日東京安値152.05レベルの攻防にまずは注目
〇ドル円予想レンジ:151.70-153.10
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが大幅安。再び153円を割り込んだだけでなく、一時152.10円割れとトータルで1円を超える下落をたどっていた。
ドル/円は153.40円レベルで寄り付いたのち、当初はドル買い優勢。日中高値である153.60円レベルへと小幅に値を上げたものの、高値追いはそこまで。以降は、注目の日銀会合結果などを受けてやや荒っぽい変動をたどりつつ、じりじりと上値を切り下げる展開に。とくに夕方には下げ幅を拡大、一時152.05円レベルと1円を大きく超える下げをたどっている。16時現在でもそのまま安値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「日銀金融政策」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、前日にブルームバーグが「総選挙の与党大敗や足もとの円安進行を受け、金融政策正常化路線に不透明感が増している」−−などと報じていた日銀会合にて、「金利の据え置き」が正式に発表されている。ただ、この結果は予想通りで問題は今後の見通しなど。夕方には総裁会見で植田総裁から、「見通し実現していけば政策金利引き上げ緩和度合いを調整」、「米経済にもう少しいい動きが続けば『時間的余裕』との表現不要に」との発言が聞かれていた。追加利上げ余地を残し、予想よりもタカ派などと、やや強気の見方をする向きが少なくなく円の支援要因となっていたようだ。
後者は、引き続き「北朝鮮によるロシアへの派兵」が物議を醸す。関連情報として「北朝鮮外相がモスクワ入り、ロシア外相と会談へ」、「韓国国防相が北朝鮮は米大統領選前後に核実験実施の可能性と発言」、「米国防長官は北朝鮮兵の派遣を受け、ウクライナ戦争拡大の恐れありと懸念示す」などと、取り沙汰されていた。一方、そうしたなか北朝鮮が本日早朝に大陸間弾道弾(ICBM)と思しきミサイルを発射したとして話題に。タイミングとしては、ワシントン郊外で開催された米韓国防相に合わせたとみられることから、けん制そして抗議の意思を示したとの見方も聞かれている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、前述したように本日東京時間にドルが152円前半まで急落。トレンド転換を指摘するにはまだ早いが、28日に戻り高値153.88円を示現し、ドルの続伸も期待されていたという流れが少なくとも仕切り直しとなったようだ。むしろテクニカルには、ごく短期のサポートを下回っており、続落もありうる足形だ。本日151円半ばに位置する移動平均の200日線を目指した動きを懸念する声も聞かれていた。
本日明らかになった日銀の金融政策決定会合の結果は、金利こそ「据え置き」だったが、先々の金利引き上げを強く意識させる内容だった。しかも、植田総裁からは「少し霧が晴れつつある」といったコメントも聞かれており、かなり強めの内容だったことは間違いない。一方で、米早期利下げ観測は後退しつつあるものの、明日発表される米雇用統計などでそうした見方に修正が入るようだと、さらにドル売り・円買いが進む可能性もありそうだ。なお、それ以外の中東やウクライナなどにおける地政学リスクの高まりにも一応要注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円は28日の153.88円を目先高値に、あっという間に2円近くも下落。ドルの下げ足もなかなか速い。週明けに記録した下方向のギャップを埋めたか否か微妙だったが、本日のドル急落で間違いなく窓埋めを達成してきた。果たしてドルがさらに下落するのか否かが注視されている。仮にドルが続落するとなれば、151円半ばに位置する移動平均の200日線を目指した動きが見込まれそうだ。
本日は米経済指標として、9月のPCEデフレーターや週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。週末発表の米雇用統計が注視されるなか、昨日発表されたADP雇用統計はかなりの好数字だったが、果たして本日はどうなるか。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは151.70-153.10円。ドル高・円安方向は、これまでドルのサポートだった152.80-90円が今度は抵抗に。上抜けると153円台回復から153円半ばを目指しそう。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる152.05円レベルの攻防にまずは注目。割り込めば以前からレポートしている200日線がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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